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松浪健四郎・衆議員(保守・副幹事長)

最後の戦後処理≠ノ決着へ早期成立めざ

 昨年12月に閉会した国会は、テロ対策国会であり、日程的にも非常にタイトであった。地方選挙権問題は議論できなかったが、そのほかにも多くの法案が先送りされてしまった。

 地方選挙権に対する反対論があるが、それは無知からきている。朝鮮半島の人々と日本の人々がどういう形で交流し、相互の理解をどこまで深めるのかを考える上で、相当深い知識と日本の文化論を十分に理解しなければ無理だと思う。日本が最も文化的に影響を受けた隣の国を、本気になって勉強してほしい。

 戦後、殻に閉じこもった精神文化を持ったために、在日の人たちが置かれている立場を理解できなくなった。外国人の地方参政権問題は「日本人の心の鎖国を解く黒船だ」という言葉は、私の本音だ。

 日本が世界から尊敬される成熟した国家になろうと思えば、永住外国人への地方選挙権付与法案は、すぐにでも国会を通さなければ、恥ずかしい問題だ。

 通常国会は来年1月に開会するが、地方選挙権法案が審議される委員会には、衆議院の定数是正の問題、小選挙区問題を抱えており、その論議が優先されるだろう。

 本来、地方選挙権法案こそ優先されねばならないが、議員にとって切迫感がない。国際交流の問題であるという認識が希薄であり、かつ安全保障問題と関わりが薄いという理由で、後回しにされている感がある。

 法案提出者としてこの間の流れを見てきて、すぐにやるべきだと感じている。同時に、法案審議のプロセスの中で「地方だけでなく国政にも」という声が出された。国政参加は国籍の問題に関わってくることであり、与党3党は国籍法の一部を改正する法律案を作るプロジェクトを立ち上げ、希望者には審査なしで国籍を付与し、名前も民族名を受け入れるという大筋ができている。

 日本が本当に先進国であれば、風格ある対応、大人の対応ができなければ尊敬される国家になれない。地方選挙権問題は、最後の戦後処理ではないかと思っている。

 小渕政権も森政権も、対韓、対中関係を積極的に前進させていこうとする姿勢が強かった。ところが現政権が、靖国神社参拝を表明したときに失望した。

 日韓議員連盟の会長に森前総理が就任したこともあって、議連のメンバーの一人として働きかけを強めたい。

(2002.01.01 民団新聞)



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