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中野寛成・衆議員(民主・副代表)

総理の決断≠ェ鍵、韓国側の要請も後押し

 昨年の国会で一度の審議もなかったのは、テロ対策が中心になったことがまずあげられる。また、テロに関連して外国人に対する警戒感を強めた時期、そして教科書問題などを含めて日韓関係がぎくしゃくした時期に在日の人権拡大を語っても、日本の国民が素直に理解してくれずに逆効果になる場合があるからだ。

 今年の通常国会は予算審議が先行するだろう。2月、3月は衆参両院で予算審議があり、4月までは予算関連法案審議になろう。一般法案、永住外国人への地方選挙権付与法案の審議は、どうしても会期末になりそうだ。ゴールデンウイーク以降という日程が想定される。

 ただ、これは国会内のスケジュール的な事情であって、選挙権法案は時の総理大臣が前向きに決断しなければならない問題だ。過半数を握っている与党の中で最大政党が自民党。自民党内で地方選挙権法案に対する前向きな結論が出なければ、審議をしても採決させない方向に進むことが予想される。

 小泉サポーターが一番理解がない人が多いように見受けられる。小泉内閣が代わらなければ、自民党が大きく変わることは難しいだろう。

 自民党の中の理解者が、自民党内で主導権を持つ環境が出てこないといけない。

 ただ、小泉総理が金大中大統領から直接要請を受け、総理が直接決断すれば可能だ。問題は小泉総理の姿勢が、われわれが見る限り、後ろ向きであることが残念だ。

 国際的に見て、いわゆる保守系の党は、国益にこだわり国際協調に欠けるところがある。永住外国人への地方選挙権法案について理解を深めていただくことは、ある程度可能だと思うが、最後は多数決で決めるしかない。  やはり、時の総理の決断が一番大きな要素だろう。議員立法といえども、総理の意向に反して成立するのは大変難しい。日韓関係も考えながら、韓国政府からの要請も受け、かつ日本の人権政策の中で総理が決断することが大事だ。

 総理が決断するためには、自民党内で理解者を拡大し、慎重派を説得することが必要。また、韓国政府からの要請も、総理の決断に大きな役割を果たすだろう。

 選挙権法案の委員会審議は、質疑応答、参考人招致も終え、形式的には審議は終わり、採決の段階にきている。そこで時の総理の決断がないことが、法案をストップさせている一番の要因だ。

 われわれは成立に向けてなお一層努力していく。

(2002.01.01. 民団新聞)



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