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金剛山への陸路♀マ光

不遇同胞に毛布やモチ贈る



金剛山陸路観光の出発地となる江原道高城郡の
「統一展望台」前の海岸線。前方は北韓の山脈

北韓軍部の反対がネックに?
目玉℃幕ニ継続に不可欠

年間100万人往来か

 金剛山陸路観光ルートの新設は、98年11月に南北交流の扉を開いた金剛山観光事業の活性化のために、韓国の現代峨山と北韓の間で、昨年6月8日に合意をみたもの。板門店近くの京義線の再連結・並行道路新設合意に続き、東海岸近くの南北軍事境界線・DMZの一部地域開放にも北韓側が同意したことを意味し、南北交流・協力拡大への期待を抱かせた。

 現代峨山の金潤圭社長は、昨年6月の合意直後の記者会見で「南北当局の承認を得て、今秋に江原道高城郡の『統一展望台』から北韓の高城・三日浦付近までの往復四車線道路(国道7号線。約13・7`)の建設に着工し、来年下半期内に陸路観光を開始することで北韓アジア太平洋平和委員会と合意した」と発表した。韓国の雪嶽山から金剛山まで自動車で約1時間であり、金剛山一帯が北韓側の約束どおり観光特区に指定されれば、年間1000万人近い雪嶽山観光客中の10%、約100万人の金剛山観光誘致も可能と見ている。

 9月の第5回南北長官級会談では、金剛山観光特区指定を前提に東部地域海岸道路の南北連結を早期に実現することで意見の一致をみた。

 10月の金剛山観光事業活性化当局間第1回会談で韓国側は来年10月までの本道路完成と年内臨時道路開通および陸路観光の開始観光特区の10月中指定(北韓側は8月中には指定すると現代側に約束していた)道路連結事業協議のための軍実務者会談の早期開催ーーなどを提案した。だが、北韓側は、陸路観光より現在の海路観光優先現代側の未払い観光代金の早期支払いへの韓国政府の協力などを主張、軍事実務会談の開催については言及を避け成果なく終わった。同月中旬に予定されていた第2回会談は北韓側によって一方的に無期延期された。

 DMZ内の地雷除去、軍事施設物の移動・再配置などの伴う観光道路開設と重要軍事拠点のある金剛山一帯の観光特区指定に北韓軍部が否定的で、「陸路観光」実現には相当時間がかかるのではないか、と韓国側では推測している。

 金剛山観光事業の主体である現代峨山は、観光客の急減、会社の経営状況悪化(毎月20億ウォンの赤字)のため、「陸路観光」「観光特区指定」という突破口ができない限り、自力だけでの事業継続は無理と表明している。この間、南北協力事業の象徴として同事業を「支援」してきた統一部と文化観光部、韓国観光公社も、「観光特区指定など懸案が解決されない限り、現代峨山への資金支援はできない」とし、同事業の暫定中断という最悪のシナリオまで覚悟している。

(2002.01.01 民団新聞)



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