民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
金北韓国防委員長の決断≠ノかかる



昨年8月、ロシア訪問を終え、羅南で
現地指導する金正日北韓国防委員長。
金国防委員長はプーチン大統領との
会談でも京義線再連結を強調した

「公約」早期実践で失望でなく希望を

 韓国では、今年は5年に1度の大統領選挙の年(12月)であり、国内政治に、より大きなエネルギーが注がれ(6月には地方選挙も)、南北関係での新たな提案よりも、これまでの「南北合意」の着実な履行を北韓側に強く促すことになろう。

 京義線の再連結と金剛山陸路観光推進は、南北関係進展を占う重要な指標である。「6・15共同宣言」の具体化であり、本来ならば昨年中に実現されてしかるべきものであった。韓国では、いずれも北韓軍部の反対で先送りされたとの見方が一般的である。

 京義線の再連結は、金正日国防委員長が、平壌を訪問した韓国のマスコミ社長団に「軍部の反対があるが…、南側が工事を開始すれば、われわれも直ちに着工する」と約束したことである。その直後に第2回南北長官級会談のために平壌入りした韓国代表団に洪成南・北韓国務総理も「京義線連結は早いほどよい。われわれも積極的に行う」と強調した(2000年8月)。

 また、金剛山観光事業は、金国防委員長が98年10月に鄭周永・現代グループ名誉会長と会って直接決定した事業である。昨年の第5回南北長官級会談(9月)と金剛山観光事業活性化のため陸路観光に関する南北当局間会談(10月)も、「現代側の要請」を配慮した金国防委員長の特別の指示で開かれるようになったとされている(宋浩京・アジア太平洋平和委副委員長)。

 京義線の再連結が年内に実現するかどうか、さらに金剛山陸路観光が推進されるかどうか、金国防委員長の決断如何にかかっている。失望でなく希望を与えてこそ、「ソウル答礼訪問」が歓迎され、第2回南北首脳会談実現につながろう。

 南北関係の本格的改善と緊張緩和・平和定着推進意志の有無が試されているといえよう。

(2002.01.01 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ