民団新聞 MINDAN
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わが子に付き添い、ウリマルを教える
オモニの姿も珍しくない

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東京韓学・オリニ土曜学校
わが子と共に父母も学ぶ

 最新のIT設備とプロフエッショナルな教師の存在が東京韓国学園(孫性祖理事長、金龍満校長)の「土曜学校」を支えている。今年度の在籍生徒数は214人(男105人、女109人)を数え、過去最大となっている。このうち常時出席者も150人余りと全体の7割に達する。

 同校が全国に先駆けて「土曜学校」を開設したのは93年11月のことだった。在籍生徒数は97年度82人だったが口コミで噂が広がり、毎年30人前後ずつの割合で増え続けている。

 ウリマルの会話能力と学年を加味しての7クラス編成。このほかにも昨年からは付き添いの同胞父母のために独自に一般教養と民族楽器の2クラスを設けている。父母はわが子の勉強ぶりを見守りながら、一方で自らも民族的素養を身につけている。

 授業は45分で2コマが組まれている。1時限目はウリマル、2時限目が韓国の文化や歴史など。「学校」とはいえ、楽しくなければオリニの足は自然と遠のく。担任からは「普通の授業よりもっと難しい」という正直な声が聞かれた。

 入学間もない春先の授業こそ日本語を主体に進められるが、2学期以降からはほぼ韓国語中心で日本語での説明は補助的になっていく。しかし、在日同胞の幼稚園児、小学校低学年までを主体としたクラスでもオリニに戸惑いは見られない。

 これは各教室に設置された54インチ大型プロジェクションTVとつながったパソコン機器、実物画像機による視覚効果に負うところが大きい。担任は教壇のパソコンを操り、TV画面に絵入りカードなど様々な映像を映しだしながらウリマル授業を進める。各クラスに配置された在校生有志によるボランティアがオリニをサポートしているのも東京韓学ならではの特色。

 2時限目になると民俗遊びが加わる。東京学芸大学大学院で幼児教育を専攻したという金香善教諭は「韓国に興味を持ってもらいたいから、勉強も遊びが中心。何をやるか、いつも子どもの目線で考えている」という。

 ある日は色とりどりのプラスチック製の小石を教室に持ち込み、コンギノリを指導した。すっかり夢中になったオリニたち。金教諭から分けてもらった小石を自宅に大事そうに持ち帰った。

 韓国から嫁いできたというある同胞は「家庭ではできない遊びを教えてくれるのですごくありがたい」と話していた。

 小1と幼稚園児の2人の子どもと一緒に授業を見学していた李善順さんも「思ったよりもいろんなことを教えてくれる。文字はまだ読めなくても、ハングルの雰囲気に慣れ親しむようになってからは(ウリマル学習を)嫌がらなくなった」と喜んでいる。

 呉常源さんは総合商社の丸紅に勤務する商社マン。埼玉県志木市の自宅から通っているが、小3と5歳の2人の女の子も「楽しみにしている」という。「クラスに慣れるまでは緊張していたが、友だちができてからはすっかり楽しんでいる」と話してくれるオモニもいた。

(2002.01.01 民団新聞)



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