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冬柴鐵三・衆議員(公明・幹事長)

審議は尽くされた、「与党3党合意」実現の時に

 永住外国人の地方参政権問題に深く関わるようになったのは、1994年に日韓議員連盟の在日韓国人地位向上特別委員会委員長に就任してからだ。95年2月の村山内閣当時、法制化を求める質疑を行うと同時に、議員提案の準備に着手した。

 以来、今日まで3度、代表提案者として、衆議院に法律案を提案した。この間の審議時間合計は13時間18分にも達する。民団中央本部の辛容祥常任顧問(当時、中央本部団長)も含め5人の参考人質疑も行った。審議は尽くされている。あとは採決を待つのみだ。

 金大中大統領は訪日時、日本のためにも開かれた政治を求められた。地方選挙権法案の成立は、自民、自由、公明3党の公党の約束であり、韓国との信義の問題である以上、採決しないということは、日本の国家として恥ずかしい。

 問題は反対派をどう説得するかである。自民党は党として小渕総裁以降、成立を約束している。だが、343人の議員のうち、約90人が選挙権付与に反対する議員連盟に属す一方、3分の2強の議員はこの問題について賛否の立場を明らかにしていない。

 民主主義社会では100%の賛成も反対もありえないが、最後は多数決になる。時間をかけて説得していくしかない。しかしながら、せっかく採決の段階までこぎつけたのに、賛成の雰囲気が醸成されないまま、あわててやると採決で否決される危険性もある。そうなると2度と成立できなくなる。

 自民党が賛成に回るのか、党議拘束をはずすのか、それを見極めなくてはならない。しかし、参政権運動つぶしのいわゆる「帰化緩和法案」が準備されているのも事実だ。

 国籍選択は本人の意思によるもので、他人や国がどうこう言うべきでないし、それを強制する法律はよくない。異なる文化の融合が歴史の発展につながってきた。共生とは日本人になるということではない。

 今年2002年は「韓日国民交流の年」だ。大衆レベルでの交流が、ますます盛んになっていくことが予想される。その意味でも韓日をつなぐ在日韓国人らに対しての地方選挙権の確立が急がれる。

 「意志を持ってこれを貫く」をモットーに、条理を尽くして、内外人平等の原則と民主主義の根幹をなす参政権の必要性を訴えていきたい。

(2002.01.01 民団新聞)



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