民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
国際協力・隣国友好・世界の模範

W杯前の韓国主要紙の論調



●国際協力モデルとなろう
●平常心を失わずに対応を
●隣国相互認識改善に重点


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W杯を跳躍の契機に

 ワールドカップ(W杯)が間近になるほど、大会を成功させることが、どれほど国家イメージと経済に、また沈滞一路にある地方経済蘇生に重要であるかわかるようになる。われわれは、しばしば日本との共同開催を忘れているが、世界の目はまったく違う。今回の大会を通じて世界は韓国が日本とどう違うかを見るだろう。サッカー場内での成績も重要だが、マスメディアを通じ世界中の人々が有形的なものばかりでなく無形的な韓国の模様を評価するだろう。

 W杯成功の第一の条件は安全である。特にテロからの安全はその生命といえる。われわれは、大会が日本との「どちらが立派に行うかの競争」の側面もあるが、「互いに助け合う」の国際協力モデルとならなければならないと考える。9月の釜山アジア競技も国家的に極めて重要だ。21世紀にアジアを疎かにできないので、たとえ規模は違ってもアジアのスポーツ祭典も少しでも疎かにするようなことがあってはならない。

 われわれはW杯期間中に地方選挙を、12月に国家リーダーシップを決定する大統領選挙を行う。低質地方政治の弊害が成功的W杯の足首をつかむようなことが生じてはならない。韓国経済の活力素となるW杯が不必要な政争や消耗的対立で歪曲される事態だけは避けなければならない。

 そのためのわれわれの選択ははっきりしている。新しい指導者と自治体代表らは、国家経営のビジョンや卓越した経営能力を有する人でなければならない。そのうえ国際的感覚まで有する指導者ならば、もっとよいだろう。(韓国日報1月3日社説)


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跳躍の足場とするには

 W杯大会の成果は、どれだけ緻密に準備し、立派に運営するかによって大きく違う。

 W杯を通じて得ることのできる大きなものは国家イメージの改善である。特に、共同開催国である日本と、大規模訪問団が予想される中国の両近隣国との相互認識の改善に重点を置かなければならない。隣国でありながら無関心な日本の人々の韓国に対する認識を高める場合、韓日間の政治、社会関係が肯定的に発展可能だ。中国の人々に「韓流」ブームをよびおこすことによってW杯を「西海岸時代」を本格的に開く分水嶺とすることができる。

 最も憂慮されることは観光ソフトウエアの不足だ。外国のお客を親切に迎えサービスし気分良く観光してもらえるようにする技術が後れている。多様かつ風格のあるプログラム、低廉な価格と親切なサービスなどが観光システムの主要改善課題だ。

 宿泊・飲食施設のぼったくりと価格談合は、公正取引委員会が明らかにした通り強力な取り締まりを通じてでも改善しなければならない。

 わが国の国民が日本人より無愛想で挨拶が少なく、公共秩序をよく守らないうえに公共施設を勝手に使用することは、よく知られた事実である。政府だけでなく市民団体も、W杯が国際的に成功した祝祭となるよう積極協力しなければならない。今後残った期間にしっかり準備することが重要である。(大韓毎日1月7日社説)


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W杯を超えて新大統領へ

 21世紀の荒々しい峠を越えるわれわれには、休む間もない1年が待ちかまえている。全国を揺るがす2回の選挙、世界とアジアの関心を集める二つのスポーツの祭典が絶壁のように立ちふさがっている。

 最初の行事であるワールドカップ期間中(5月31日〜6月30日)、ソウルと東京の姿は全世界数10億のサッカーファンの居間にそのまま映される。観衆の目は競技だけに限らない。彼らの視線は比較の視線だ。ソウルと東京の文化的力量、組織的な能力、市民秩序の現状を採点する視線だ。改善すべき事項は数百にものぼるが、われわれに与えられた時間は150日にすぎない。それだけではない。W杯大会期間中の6月13日には、地方選挙が実施される。9月29日から10月14日までは釜山アジア競技大会が、そして12月17日には大統領選挙がある。

 韓国より先んじている国では、選挙とは周期的な日常事にすぎず、世界の祝祭も先に行った各国の経験が伝えられる行事にすぎない。問題は、われわれが平常心を失わずに対処することだ。

 そのための要点は二つだ。困難なときほど、選挙の時期であるほど、真実よりもっと安価な処方があるとほらを吹く政治家の言葉に惑わされないことだ。もう一つは、祝祭の主管者としてわれわれの責任は、最初から最後まで大会を無事に終えることにあることを、ひとときも忘れないことだ。ベスト16(決勝トーナメント)進出や勝敗の問題は、その次のことだ。世界の視聴者と韓国への訪問客に忘れることができない名勝負の場面と共に、韓国人の笑顔と底力を印象づけることさえできれば、われわれは成功したことになる。

 新年初日、われわれはこのような課題が待ちかまえている実験台の上に立つ。この慌ただしい1年を無事に乗り越える覚悟と、われわれにはそれだけの十分な実力があるという自信を持って、われわれは新年の一歩を踏みだそう。(朝鮮日報1月1日社説)

(2002.01.16 民団新聞)



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