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在日へのメッセージ

氷室興一(日本テレビ中国総局)



中国ことしは『韓流』

 韓国から数年ぶりの電話。彼女が結婚する時に話して以来だ。「北京でコーヒーショップを開きたいのだけど、どの辺がいいのかしら」戸惑いながらも思い浮かぶ情報を片っ端から伝えた。

 韓・中は国交10周年を迎えW杯の中国戦も韓国開催が決まった。中国人観光客が韓国に押し掛ける一方、韓国からの投資も再び増える傾向のようだ。

 韓国ブームを意味する「韓流」という文字を新聞でよく見かける。韓国の歌手グループ(H.O.Tとか)の海賊版CDが飛ぶように売れ、眠ったような目をしたウサギのキャラクター商品が女の子たちの間で人気だ。

 北京の繁華街・西単の百貨店には「韓国城」と呼ばれるスペースがある。韓国製の靴、カバン、アクセサリーなどを売る店が50店舗も集まって6年程前にオープンしたもの。

 「韓流」の中、商売益々繁盛と見込んで足を運んだが意外にも状況は厳しいと言う。靴店を営むキム社長によると当初こそ坪数の小さい店が詰まった東大門市場のような雰囲気が客を呼び寄せた。

 しかし、中国人にとって韓国製品は高嶺の花で、大勢の客が押し寄せたのに利益が出ず、韓国人オーナーは今では3人しか残っていないと言う。入れ替りに入った中国人経営者は韓国製と偽って中国産品を売りつけるなどして「韓国城」のイメージを著しく損なった。

 それでも資金を手に渡って来る韓国人が後を絶たず、天津や青島にはコリアン・タウンが形成されつつある。北京市内にも新たな「韓国城」がこの春うまれるそうだ。「韓流」の波に乗って我が元恋人も北京に来るのだろうか。

(2002.01.24)



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