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実りある「韓日国民交流の年」に




 今年は「韓日国民交流の年」。両国では様々な交流イベントを計画中です。21日にはソウルで「2002年韓日国民交流年」事業の韓国側開幕記念式典が行われました。両国の親善大使として、韓国側は日本でも大ヒットした映画「シュリ」のヒロイン役を演じた金允珍さん、日本側は国民的人気女優の藤原紀香さんが選ばれ、その大役を担います。

■□草の根交流深まるために

 国民交流年事業は、韓日共催のサッカー・ワールドカップ(W杯)が開かれるのを機に、幅広い分野で両国の国民的交流を進めようと両国政府が合意したものです。

 ちょうど1年前の1月26日、日本で大きな出来事がありました。李秀賢さんという韓国人留学生と写真家・関根史郎さんが、東京で線路に転落した日本人を助けようとして、そのまま帰らぬ人となりました。いわゆる「新大久保駅転落事故」です。

 2人の勇気ある行動は「無関心」社会になりつつある日本社会に大きな衝撃と感動と反響を呼びました。

 そして、李秀賢さんの父、李盛大さんは韓国を訪れていた小泉首相との面会で「韓日両国民が互いに好きになることができれば、この悲しみも忘れられるような気がする」と語りました。

 そして小泉首相は「お子さんの犠牲の勇気に、日本人すべてが感動している。今後も、崇高な勇気は引き継がれていくと思う」と語りかけ、「両国の草の根交流がさらに深まることを期待する」と述べました。


■□同じ「人間」「住民」として

 2人の行動は、人間というのは信じられる存在だということを私たちに教え、勇気づけてくれました。「日本人」「韓国人」ではなく「人間」、そして、彼我の違いを超えて、隣人としての「交流の木」を根づかせる努力がいまこそ求められているのです。

 1月18日、滋賀県米原町の臨時町議会は周辺自治体との合併問題の住民投票資格を永住外国人にも与える住民投票条例案を本会議で賛成多数で可決、成立しました。住民投票とはいえ、永住外国人に投票資格を与えるのは全国で初めてのケースです。

 村西俊雄町長は「合併問題は町民とともに考え、よりよい選択をすることが重要だ。永住外国人の投票資格は、住民が等しくまちづくりに参画するための必要な整備条件」と実現の理由を述べています。

 1995年以来、民団が総力を挙げて取り組んでいる「地方参政権獲得運動」は7年を経た今もなお、実現されていません。このほど開会した通常国会で永住外国人の念願である「地方選挙権付与法案」が成立されることを願うばかりです。

 2002年を儀礼的なイベントに終わらせず、真の「韓日国民交流の年」になることを強く望みます。

(2002.01.24 民団新聞)



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