民団新聞 MINDAN
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阪神大震災・ボランティア協会

心のささえ続けて7年



復興住宅のお年寄りを訪問する
コリアボランティア協会のメンバー
と韓国の大学生(左右手前)

週に2回復興住宅訪問
同胞含む20余人のお年寄りケア

 【兵庫】未曾有の被害を出した阪神大震災から7年。今年も17日には被災各地で犠牲者を悼み復興を目指すセレモニーが行われた。そんな中、復興住宅で不便な暮らしを余儀なくされる同胞らの身の回りの世話を続けてきたコリアボランティア協会(康秀峰代表)と韓国の大学生が復興住宅の同胞を慰問した。

 コリアボランティア協会メンバーとともに神戸市長田区の復興住宅を訪問したのは、韓国京畿道安山市、安山工科大学社会福祉科・社会福祉研究会の学生ら9人。15日から5日間、大阪市生野区に本部を置くコリアボランティア協会を訪問した。身障者・高齢者介護や阪神大震災での被災地活動を直接体験するのが目的で今回が3度目の来日。

 17日、同協会代表代理の鄭炳熏さんをはじめ同研究会の李永九さん、黄蓮花さんら一行9人は神戸市各地での震災慰霊祭に参加したあと、文小連ハルモニ(87)が住む復興住宅を訪問、視察した。突然の慰問に文ハルモニは「元気だよ。いつもコマウォヨ」と喜びをかみしめていた。

 被災地活動のリーダーでもある鄭さんによると、神戸市には現在30カ所余りの復興住宅(市営)があり、30人以上の老人が不便で寂しい生活を強いられているという。

 同協会では、20カ所の復興住宅に住んでいる在日同胞8人ほどを含む20余人のお年寄りを対象に、週2回(水・金)大阪から通い、弁当の差し入れや買い物の手伝いなど身辺の世話をしてきた。

 学生たちは「韓国では施設介護が中心で、コリアボランティア協会が訪問介護先に食べ物を持っていったり、病院に見舞いに行くなど個人的な介護までしていることに感銘を受けた」と話す。

 両団体の交流が始まったのは、99年に韓国のKBS放送や朝鮮日報が同協会の地道な活動を紹介したことがきっかけ。放映された震災被災地での細やかな高齢者福祉のノウハウなどに驚いた同研究会は、さっそく鄭さんらと連絡を取り合い、同年10月に支援センターを設立、財政的に困っている同協会のための募金活動をスタートさせた。同12月には、「姉妹縁組」を結ぶほどの親密な関係となり、以後相互訪問が定期的に続けられている。

 コリアボランティア協会は、国境、民族、ハンディを越え全ての社会的弱者を救援しようと94年に設立され、在日同胞が多く住む生野区を中心に高齢者、障害者の介護をはじめ震災を機に長田区などの仮設住宅や復興住宅で介護活動を続け今日に至っている。

 同協会へのカンパは、郵便振替00920ー29408「コリアボランティア協会代表康秀峰」へ。

(2002.01.24 民団新聞)



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