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総連中央は対話の席に着け




 祖国分断から半世紀を超え初めて実現したあの歴史的な南北首脳会談の模様は、祖国統一への道程に一歩現実味を持たせたものとして今も私たちの脳裏にはっきりと記憶されています。

 金大中大統領と金正日国防委員長の会談によって合意された「6・15南北共同宣言」は、南北の和解と統一を謳い上げた画期的なものとして、わが民族のみならず全世界の人々に感動と希望、大きな期待を与えました。


■北韓の誠実対応が望まれる

 最近、韓国政府の熱心な呼びかけにもかかわらず北韓政府がこれを無視する状態が続き、南北間の対話と交流は冷え込んだ状態になっています。残念なことと言わざるをえません。

 同宣言の実現には南北間の着実な交流がその前提とならねばならず、それだけに北韓政府の誠実な対応が望まれるところです。

 南北首脳会談は在日社会にも和合に向けての動きに大きな影響を与えました。会談のあと直ちに民団中央は総連中央に対し、会談の精神を生かし「前提条件なしに虚心坦懐に」対話することを提議したのです。

 その年の地方本部・支部での総連との交流は、親睦会や敬老会、花見をともに開催したり、日本の市民祭りに共同で参加するなど全国で実に200件を超えました。

 これは過去10年間に行われた交流実績の累計を優に上回るもので、同胞がいかに相互交流を望んでいたかを如実に示す数字であったと言えます。


■和合に中央対話は不可欠

 昨年は総連中央の消極的な姿勢の影響で前年に比べ半減したものの、地方本部・支部単位での交流は100件以上と引き続き活発に行われています。

 南北関係が停滞状態にあるとは言え、過去の敵対関係を克服し互いを対話の対象と見なし、同胞としての情愛を確かめ合いたいとの気持ちの表れと見ることができます。

 中央本部単位での対話は、一昨年9月以来、民団の再三にわたる呼びかけにもかかわらず総連からは連絡すら途絶えているのが実情です。

 双方の代表者による常設の機構を設置し互いの関心事項を具体的に話し合おうと協議までしていながら、それ以後総連中央からなんらの返事もないことを大変遺憾に思います。

 同胞社会全体の和合を推進するためには、なんと言っても中央本部相互の対話が必要不可欠であるのは自明のことです。

 総連中央は常々、南北共同宣言の履行のために活動していくとしていますが、同胞社会の交流と和合にまず努めることこそが同宣言の精神にかなうものだと自覚すべきです。

 総連は民団との対話を通じて同胞社会の和合と統一に向けた努力をすべきです。それこそが同胞の願いであることを総連中央は銘心すべきなのです。

(2002.02.27 民団新聞)



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