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公務員国籍要件、千葉市も一般職で撤廃



千葉市に「要望書」を手渡し説明する
民団千葉支部と県本部役員(左右)

■今年の採用試験から…
  政令指定12都市すべて開放

 【千葉】政令指定都市の千葉市(鶴岡啓一市長)が02年の市職員採用試験から一般職についても国籍要件を撤廃する。鶴岡市長が18日、記者会見し、考えを明らかにした。この結果、定住外国人への門戸開放で政令市12市すべての足並みがそろったことになる。地元民団関係者は「歴代の支団長の働きかけがようやく実った」と喜んでいる。

 千葉市の国籍要件撤廃の方針は鶴岡市長の態度表明に先立つ15日、「地方公務員採用に関する要望書」を携えて市庁舎を訪れた地元民団関係者に対して市の稲葉秀雄助役自ら明らかにした。

 席上、稲葉助役は「人事委員会での手続きを残しているが、平成14年度試験から受験できるようにしたいというのが市長の考えだ。6月の『市政だより』で正式に発表したい」と述べた。

 千葉市は職員採用時の55職種のうち専門職や現業部門を中心とした42職種で既に国籍要件を撤廃している。残る事務、技術(土木、建築、化学、電気、機械、造園、畜産、農業)、消防局関係(消防士、ヘリコプター操縦士、同整備士)、学校事務の13職種については国籍要件を残している。来年度以降以降からは消防局関係の3職種を除く10職種で外国籍住民の受験が可能になる。

 ただし、外国籍職員は他の政令市同様、事務職で採用が決まっても許認可や処分、税金徴収など公権力の行使に関わる職種には就けない。これらは全職種の20%程度だという。昇進にあたっても主幹、参事といった担当職は可能だが、課長職以上は制限されている。なお、総務、企画調整、財政局については国の見解に従い、係長以上にはなれないという。

 地元民団関係者の市当局への働きかけは、川崎市が制限付きながら一般職の門戸開放を表明した96年以前から持続的に行われてきた。当時の民団千葉支部団長で、何回も「要望書」を提出してきた梁松夫民団千葉県本部副団長はこの日、「昨年の7月から各議員への根回しをしてきた。北九州市、福岡市と相次いで門戸の開放を表明したこともあり、タイミングも良かった」とホッとした表情で語った。

 また、卞鐘彦現支団長(民団千葉県本部副団長兼任)は「保守的とされる千葉で国籍条項が撤廃された意義は大きい。団員子弟に受験を積極的に働きかけていきたい」と抱負を語った。

 政令市12市のうち、国籍要件を残すのは千葉市と北九州市と福岡市の3市だけ。ただし、北九州市と福岡市は昨年、すでに02年度採用試験からの撤廃を表明している。

(2002.02.27 民団新聞)



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