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代替住宅の提供求む

地元の民団と総連本部・高齢同胞気遣い声明



退去迫られる京都ウトロ同胞

 【京都】民団京都本部(李鉉済団長)と総連京都本部(金貞文委員長)の両代表は23日、京都府宇治市伊勢田町ウトロ地区での共同会見に臨み、「不法占拠」を理由に長年住み慣れた居住区から強制退去を求められている同胞住民らの支援・救済にあたるとの共同声明を発表した。ウトロ地区住民の権益擁護のため両組織が共闘の意思を明らかにしたのはこれが初めてのこと。

 共同会見には民団側から李権鎬本部副団長、地元南京都支部の李基安支団長ら6人、総連側は諸葛檀本部副委員長、地元南山城支部の金学福委員長ら5人が出席。代表して民団京都本部の李副団長が「ウトロ地区の歴史的背景や、人権的視点からして、代替住宅の保障のない強制立ち退きは著しい人権侵害。行政府に対し、住民たちのための代替住宅の提供を要請していく」ことを柱とした共同声明を読み上げた。

 ウトロ地区住民からは「民団と総連、力を合わせてください」「力添えをいただきたい」などと民団と総連の支援に期待する声が相次いだ。ある82歳のハルモニは、「年だし、死んでからここ(ウトロ)を出ていけるようにしてください」との声も聞かれた。

 ウトロ地区には第2次大戦直前、国策で軍用飛行場建設に使役させられた韓国人らが解放後、行き場もなく住み着いた経緯がある。3年前までは水道もなく、行政や地域振興からも見放されてきた。現在、在日同胞だけで68世帯224人が居住する。これまでねばり強く「居住権」を主張してきた住民側の訴えも00年11月に最高裁で退けられたことでいつ強制立ち退きさせられてもおかしくない状態が続いている。

(2002.03.27 民団新聞)



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