| 地下トンネルの内部 (「奈良県での朝鮮人強制連行等に 関わる資料を発掘する会」提供) |
市民団体が調査へ…地元でシンポ
【奈良】アジア太平洋戦争で日本が敗戦、未完のままに終わった天理市内の旧柳本飛行場周辺からこのほど、韓国人が工事に従事させられたとみられる地下トンネルが見つかった。
発見したのは「奈良県での朝鮮人強制連行等に関わる資料を発掘する会」(米田哲夫会長)の高野眞幸天理高校教諭と同校生徒たち。現場は旧柳本飛行場東の山中。地下壕は12の入り口を持ち、その1つが開口していた。
トンネルの長さは約400メートル、幅3メートル、高さ2メートル50センチ。一部丸太や板、かすがいが残されていた。内部は複雑な構造だったと高野教諭は話している。
旧柳本飛行場建設には3000人の韓国人が使役させられていた。関係者は、強制連行韓国人の帰還記録からも地下壕工事にあたって韓国人が強制的に使役させられていたのは間違いないと話している
3月31日には橿原市の県福祉総合センターでトンネルの用途解明のためのシンポジウムが開かれた。パネリストとして出席した高野教諭ら関係者は、工事に携わった複数の関係者の証言と文献資料などから「天皇の居室『御座所』と大本営があった」と推定している。
また、大阪府立高校の教諭、塚崎昌之さんは「当時、地下壕建設主体は海軍で熊谷組が工事を請け負っていた。当時の中心的人物で軍司令官でもあった大西瀧治郎に関する資料を調査していけば真相が明らかになるだろう」と述べた。
(2002.04.03 民団新聞)
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