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完全週5日制、有意義にすごす場を




 毎週土曜日を休む日本の公立小・中学校の完全週5日制がスタートしました。6日は初の休みとなった各地で、「受け皿」としてサークルなどが開かれましたが、休まない私立校もありました。「ゆとり教育」が「学力低下を招く」との批判が続いていますが、同胞家庭の子どもたちはこの土曜日をどう過ごしていくのでしょうか。

■「オリニ土曜学校」の成果

 全日制の韓国系民族学校が全国に4校しかなく、団員子弟の大半は日本の学校に通っているのが現状です。主要運動の一つとして在日同胞子弟の「民族教育」を叫び続けてきた民団では、これまで、その一環として「民族教育50時間制度」などを実施してきました。

 「週5日制」がスタートした今、民団では今一度「土曜日」を活用した同胞子弟たちの「学び集い楽しむ場」を提供していく必要があります。

 この「完全週5日制」を見据えた東京韓国学校では1993年、日本の学校に通う在日同胞オリニ(子ども)たちのために、「土曜学校」を開講しました。これには民団と韓国政府がバックアップしています。

 「民族教育の殿堂」といわれる同校は、毎週土曜日に同じ同胞の子どもたちが机を並べ、韓国語をはじめ、韓国の文化や風習、歌、楽器などを学ぶ場となりました。

 10年目を迎えた今年も、4月27日に第17期が開講します。過去9年間、毎回定員を上回り、200人以上の子どもたちが参加する盛況ぶりを見せています。

 この企画はその後、各地に波及し、「オリニ土曜学校」や「週末学校」などの名称で、昨年は18地方23カ所で開かれました。

 「完全週5日制」を迎え、東京韓国学校ではこの土曜日を活用した同胞子弟のための教室をさらに増設していきたいと話しています。


■「受け皿」つくっていこう

 各地に広がりを見せた「オリニ土曜学校」は昨年、民団が初めて開催した全国イベント、「オリニ・ソウルジャンボリー」でもその成果がリンクされました。全国350人のオリニたちが母国で一堂に会し、同じ仲間たちとともに祖国と民族にふれあい、韓国人としての誇りを身につける大きな契機となりました。

 完全週5日制に向け、文部科学省は全国の自治体に、「受け皿」として体験の機会や場所をつくるよう呼びかけてきました。しかし、「学力低下」論の高まりなどから、学力対策の場を設ける自治体の動きが広がっているのも事実です。

 文科省は、こうした動きに全員参加の通常授業と同じにならないよう繰り返しくぎを刺していますが、民団でも率先して「完全週5日制」対策の一環として、次代を担う同胞子弟のための「受け皿」をつくっていきましょう。

(2002.04.17 民団新聞)



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