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未公開作など6本

韓国文化院が韓国映画会



 韓国文化院開院23周年を記念する韓国映画特別週間が5月21から6日間の予定で東京の2会場で開催され、日本初公開作品や韓日合同作品を含む5作品程度が上映される。同特別週間は昨年5月、4作品を上映した「韓国最新映画特別鑑賞週間」に続くもの。同文化院は、多様な韓国映画の上映を実施することで、日本の韓国に対する認識を高めたいとしている。


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夫婦愛・コミックなど日常テーマに書いた作品も

 昨年、連続5日間にわたって開催された「韓国最新映画特別鑑賞週間」では、2100人以上を動員し、関係者はまずまずの結果に満足しているようだ。

 韓国文化院は韓国映画特別週間を開催する理由の1つに、韓国映画の日本進出基盤の整備・拡大を挙げている。例えば、日本で韓国映画を配給する会社の広報の手助けだ。現在、日本の配給会社と良好な関係を結んでいる同文化院は、配給会社からの依頼によって(成人映画などは除く)、積極的な広報支援を行っている。

 金鍾文・同文化院院長は「公開前の映画の支援をしながら韓国映画をアピールしていくことが大事」だと強調する。それは韓国ブームを継続させ、映画を通して韓日友好親善を図りたいとの願いからだ。

 実際、一昨年1月に日本でも大ヒットした「シュリ」の上映後から、配給会社からの依頼は増加しており、現在20社以上との付き合いがあるという。

 南北問題をテーマにした「シュリ」の上映は、それまでの日本人の韓国映画に対する認識を大きく変える結果となった。以降、日本の映画関係者らの韓国映画に対する期待も高まる中、過去に例をみない勢いで韓国映画が上映されている。

 しかし、残念ながら日本で大ヒットした作品は「シュリ」と同じく南北問題を扱った「JSA」だけで、同一のテーマ性を持った作品にとどまっているのが現状だ。

 そのような状況の中で今後、南北問題を扱った映画以外の多種多様な韓国映画を紹介しながら、日本で認識を高めていくことが必要だと唱えるのは、同文化院で映画を担当している金康植さんだ。

 「韓国映画はシュリやJSAの登場によって、やっと足場を作ったと思っている。今、韓国ではラブストーリーやコミカルなものなど、良質な作品がたくさん制作されている。今回上映する作品はいずれも韓国ではヒットした作品。これから日常的なものをテーマにした作品が受け入れられていくかがポイントになると思う」と話す。

 金院長も「韓国映画が持つ多様さの全てを見てほしい。特に日本の若い世代が多種多様な韓国映画を鑑賞し、韓国に対する認識に変化が生じ交流を深めてくれたら」と期待している。


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作品紹介

 韓志承監督の「エンジェル・スノー」は、結婚6年目の夫婦にやっと授かった赤ん坊に、妻は毎日欠かさず日記をつけ、お腹の赤ん坊と会話を続ける。夫婦の名前を合わせて赤ん坊の名前も決めたが、幸せな時間は長くは続かなかった。同作品はさまざまな葛藤を乗り越え、絆を深めていく夫婦の姿を描いている。

 朴テヨン監督の「なせば成る」は、一攫千金を狙って保険金詐欺に手を染める家族を描いた「愉快な猟奇コミック劇」。

 呉ギファン監督の「ラスト・プレゼント」は、売れないコメディアンと、不治の病にかかり余命いくばくもない妻を主人公に、夫婦愛と死を描いた作品。ドッジボールを通じて韓日の子どもたちが描く、笑って、泣いて親子で楽しめる韓日合同作品で三原光尋監督の「ドッジGO!GO!」ほかを上映する。

 なお、初日には監督と俳優などによる舞台あいさつを予定している。

 日程などの問い合わせは、韓国文化院・金(03-5476-4971)。

(2002.04.17 民団新聞)



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