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教科授業の3割を英語で

東京韓学がイマージョン教育



英語で数学の授業を受ける
東京韓学初等部の1年生たち

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初等部1〜2年、語学力向上へ教育課程改革

 学校法人東京韓国学園(孫性祖理事長、金龍満校長)は、4月から数学など一部の教科を英語で授業する「イマージョン教育」を初等部1,2学年の教育課程に導入した。同校が情報通信(IT)教育と並んで力を入れている言語教育の一環で、民族学校としては初の試み。16日には生徒の父母らを対象に公開授業を実施した。

 「イマージョン教育」を受けているのは初等部1,2学年の児童113人。両学年とも数学、社会、理科、体育、音楽、美術の6教科で導入している。このほか、教科としての英語も2時間設けているため、英語関連の授業時間数は、両学年とも週あたり全体の約3分の1を占めている。

 授業は1クラスを能力別に2班に分けた14、15人の少人数編成。ある授業を一方が「イマージョン教育」で受けている間、もう一方は同じ内容を本来の韓国語で学ぶ。次の授業では韓国語で授業を受けていた班の生徒が「イマージョン教育」を受けるというふうに、英語教育と韓国語教育のバランスをとっている。

 児童は「イマージョン教育」の現場でもネイティブ教師の操る流ちょうな英語に戸惑いを見せることなく、すっかり打ち解けた様子で授業を受けている。今のところ、「自然な形で英語に親しんでもらう」という学校側の狙いどおりの結果となっている。

 韓国語、英語、日本語の3カ国語を同時に駆使できる「国際人」の養成は、同校が重点とする実践課題の一つ。韓国語と日本語については放課後の補習や集中指導でこの間、一定の成果をあげてきた。英語では「イマージョン教育」の導入を決め、昨年9月から準備を積み重ねてきた。

 学校側が次年度教育課程編成の参考にと昨年12月、父母を対象に実施した「基礎調査」でも、回答者の98%が導入に「賛成」と回答。意を強くした学校側は、新学期を前に初等部での教育実績のある米国、カナダ、英国の各国籍を持つ4人のネイティブを新たに教員として採用した。

 同校の宋玲子初等部校監は「時代の要請と、一流校を目指すという本校の方針もあっての導入計画だったが、父母の要請は予想以上だった」と驚いている。

 「イマージョン教育」はカナダで63年、「最も有力な言語理論と教授法」を基調に開発され、米国でも100校を超す学校で導入している。

(2002.04.17 民団新聞)



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