民団新聞 MINDAN
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機能と実用性が人気

改良韓服が静かなブーム



フォーマル着としても
着られる
男女用改良韓服

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現代的にアレンジ…洋服感覚で違和感なく

 韓国の伝統的な韓服を現代的にアレンジし、普段使いとしても着用できる「改良(ケリャン)韓服」。実用的で簡単に着用できることから「生活(センファル)韓服」とも呼ばれている。韓国では90年代に入って、機能的な改良韓服が登場して人気を集めているという。伝統的要素を残しながら、現代の感覚を取り入れた改良韓服が今、日本でも静かなブームを呼んでいる。

 東京・新宿区の職安通りに面したコリアプラザ2階の一角にあるのが、改良韓国服専門メーカーが出店する「トルシルナイ」だ。

 子どもから大人用まで(男女)の改良韓服を取り扱っており、種類もフォーマル用からカジュアル着として日常的に着られるものまでと幅広い。

 女性用はワンピース形とツーピース形が主流だが、微妙に異なるシルエットやナチュラルな色使いのものが多いので、組み合わせ次第では幾通りもの着方が可能。

 ほかにも日本のモンペに近い形で、ゆったりめに作られている女性用のパジ(裾を紐で結ぶタイプ)もある。

 男性用も正装の場でも着用できるジョッキと呼ばれるベストをはじめ、お洒落なシャツタイプなど種類は豊富。使用される布地は綿、ポリエステル、麻などで、四季に応じて用いるそうだ。

 客層は若者から年輩までと幅広い。中でも飲食店のユニフォームとして利用されたり、書道家など韓国の文化関係に関わる職業の人たちが購入するケースもある。

 今月5日から10日まで、新宿の京王百貨店で開催された「大韓民国展」に120余着を出品し、50着以上が売れた。

 李在光店長は「改良韓服は機能性などにおいて考えて作られている。1度着て良さを分かってもらいたい」と話す。

 価格は子ども用上下1万以上、男女用上下2万円前後と比較的手頃な価格だ。同店ではシルクを用いたオーダー注文は10万円から。

 埼玉・西川口市でオーダー注文を受け付けてくれるのが「水晶(スジョン)」の李鳳子さん。改良韓服のオーダーは少ないものの飲食関係者からの注文に応じている。

 注文は女性用のみ。生地は主にポリエステルを使用、ドレッシータイプが主流だ。李さんが直接相談にのり、絵柄、刺繍か手染めかなどの詳細を決めデザイン画をおこし、韓国の工場に発注する。仕上げまでに約2週間を要する。価格はワンピース形の上下で最低4万円から。

 同胞の密集地・大阪の東成区に位置する鶴橋商店街の一角に、チマ・チョゴリの専門店が軒をつらねる。その中の1軒、慶安商店では静かなブームを呼んでいる「改良韓服」のパーティー用を取り扱っている。

 民族衣装の幅を広げようと4、5年前から扱い始めた。需要は多くはなく、当初は注文らしきものもなかったが、韓国で見かけた客からの問い合わせや口こみで、徐々に人気が広がっているという。

 韓服は、パステルカラーや色彩を押さえた色あいで、チマ・チョゴリの本来の原色に抵抗のある人にも気軽るに着こなせ、30歳から40歳代の人に人気。

 生地はオーガンジーを使用。デザインはゆるやかなウェーブをかけたスタンドカラーやロココ調の物など、現代風にアレンジされているものの、チョゴリの基本はあくまでも崩さず反映されている。

 動きやすく簡単に身につけられ、民族衣装を身近に感じられることから、若い世代にも広く知ってほしいという。(同店関係者)

 オーダー注文は、3万5000円から。

 問い合わせは、トルシルナイ(03-3232-5511、「水晶」李(048-252-8504)、慶安商店(06-6971-3378)。

(2002.04.24 民団新聞)



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