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「京義線」再連結で実証を




 第4回南北離散家族再会が、4月28日から5月3日までの予定で北韓地域にある金剛山で行われています。

 丁世鉉統一部長官が4月22日に金大中大統領に報告した「今年度計画」によると、政府は、この金剛山再会後に第4回南北赤十字会談を開き、懸案の常設面会所を金剛山に加えて、京義線(ソウル〜新義州)鉄道再連結後には都羅山駅にも設置させたいとしています。


■対照的な南北の実績

 京義線の再連結については「早期に軍事境界線非武装地帯(DMZ)の工事に着手し、10月前に連結できるよう推進する」と報告、「北韓側が要請する場合には北側区間である軍事境界線から開城まで12キロの工事に必要な地雷除去用最新装備をはじめ機資材の支援を検討する」と明らかにしました。

 京義線の再連結は、2000年の南北首脳会談で発表された「6・15共同宣言」に基づき開かれた南北長官級会談で合意を見て、軍事境界線を挟んで?山〜開城間で寸断されている路線24キロ(南北それぞれ12キロ)を修復、同時に並行道路を新設するものです。

 韓国側は同年9月には着工、昨年9月までに?山〜臨津江駅までの6キロを復旧させ、今年2月までにDMZ手前、民間人出入統制線内の最北端に都羅山駅を新設、4月から営業運転を開始しています。韓国側の未着手区間はDMZ内の約2キロを残すだけです。

 一方、北韓側は、一昨年8月の段階で金正日国防委員長自らが「南側が開始すれば、われわれも着工する」と明言したにもかかわらず、この間、準備作業らしき動きを一時示しただけで、工事に着手していません。さる4月初の林東源・韓国大統領特使と金国防委員長の会談に同席した北韓軍高位幹部は「京義線の北側区間工事は3カ月もあれば十分」と豪語したといいます。


■これ以上先送りするな

 肝心なのは合意の誠実な履行、実践です。北韓側は直ちに工事に着手すると共に、地雷除去などDMZ内の工事実施のために昨年2月に完全合意した「共同規制」の速やかな署名・交換に応じるなど、京義線の年内再連結実現のために具体的措置を講じるべきです。

 南北分断・対峙の象徴である軍事境界線・DMZの一部を双方が協力して開放する鉄道・道路の再連結推進には、軍事的信頼関係の構築が不可欠です。南北間の軍事的緊張緩和と信頼醸成の実質的措置を講じるための南北軍事当局会談を、これ以上先送りするようなことがあってはなりません。

 そうしてこそ、金国防委員長が新たに提案した、京義線よりもはるかに巨額の予算と長い工事期間を要す東海線鉄道(寸断区間145キロ)の再連結も現実味を帯びるでしょう。万一、「6・15共同宣言」の履行など「4・5南北共同報道文」に盛られた合意までも反古になるようなことがあれば、世界の失笑をも免れないでしょう。

(2002.05.01 民団新聞)



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