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南北離散家族・半世紀ぶり涙の再会

金剛山で第4回相互訪問



28日、金剛山旅館での団体再会で泣きながら抱き合う姉妹

まず韓国側99人が2泊3日

 第4回南北離散家族再会が4月28日から5月3日までの予定で、北韓の景勝地・金剛山で行われている。4月30日までは南の離散家族99人が北側の家族・親族186人と再会を果たした。5月1日から3日までは北側の100人が、南在住の家族・親戚ら473人と再会する。離散家族の再会は、昨年2月に南北訪問団が平壌とソウルを相互訪問して以来1年2カ月ぶりのこと。常設面会所の早期開設による離散家族再会・交流の制度化と拡大が望まれている。

 【ソウル】大韓赤十字社の李世雄副総裁を団長とした韓国の離散家族訪問団209人(離散家族99人、支援要員50人、取材陣60人)は28日、金剛山観光船「雪峰号」で江原道の束草港を出発し、北韓の金剛山のふもとにある長箭港に到着した。

 韓国の離散家族(当初100人の予定であったが、健康悪化で1人が辞退)はこの日、金剛山旅館2階に設けられた団体再会場で北側の家族・親戚らと、半世紀ぶりに感激の再会を果たした。

 第4回離散家族相互訪問は昨年10月に行われることになっていながら、その直前の北側の一方的中止通告で延期されていた。それだけに再会の喜びは一層大きいものとなった。

 当初、訪問団に入っていたものの、再会2日前に亡くなった呉ビョンスンさん(93)の娘、李富子(62)さんは、母親に代わって北韓に住む姉、シンホさん(66)と再会するために参加した。シンホさんは、妹が持ってきた母親の写真を胸に抱きしめ「オモニ」と呼びながら泣き崩れた。

 「6・25韓国戦争」(50年6月〜53年7月)の混乱で、妻と5歳の息子を残して平壌を後にした吉ヨンジン氏(82)は、北韓の妻、李ヨンヒさん(73)と息子、チャングン氏(57)に再会し、2人の手をさすりながら涙声で「すまない、すまない」と繰り返した。また、「6・25」以降50年以上、再婚せずに夫を待ちながら生きてきたチョン・ギオプさん(75)は、夫、イム・ハノン氏(74)と涙の再会を果たした。

 韓国側の離散家族は、団体再会に続き、北韓訪問団の団長兼朝鮮赤十字会中央委員会副委員長主催の歓迎晩餐会で、北側の家族らと再び会い食事を共にした。翌29日には北側家族の宿所である金剛山旅館の客室で個別再会し、写真と贈り物などを交換。昼食をともにした後、海金剛の手前にある景勝地・三日浦を共同観光する予定だったが、雨が降りやまないため中止。代わりに金剛山第一の滝で韓半島3大滝として有名な九龍滝を1時間ほど同行して観光した。

 韓国側訪問団は30日、別れの再会をした後、「雪峰号」で韓国の束草港に戻った。今回の韓国側家族99人が会えた北側家族は1人当たり平均2人にも満たない180余人にすぎなかった。ソウル・平壌同時相互訪問の形で行われた第1回から3回までの再会事業では、訪北団1人当たり3〜4人の北側家族・親戚らと会うことができた。

(2002.05.01 民団新聞)



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