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W杯「同胞参観団」の成功を




 あの歴史的な南北首脳会談から2年になるのを目前に、在日同胞にとってこの上なくうれしい知らせが舞い込んできました。

 今月末から開催されるサッカーワールドカップ大会で民団同胞と総連同胞がともに韓国戦を参観することで民団中央と総連中央が合意したのです。

 6・15共同宣言後、同胞社会では各地で民団と総連との交流が活発に行われましたが、中央単位での合意に基づく事業は初めてとなります。


■歴史的な訪韓事業の実施

 民団・総連同胞が所属を越え合同で訪韓団を組織するのは、在日同胞史上初めてのこととなります。

 これまでも総連同胞の訪韓団がなかったわけではありません。民団が76年から実施している総連同胞を対象とする「母国訪問団」や、総連が00年から単独で実施している「故郷訪問団」らがそれです。

 しかしそれらは民団、総連がそれぞれ訪韓団を組織したものであり、今回の「同胞参観団」とはまったく意味合いが違っています。

 今回は、ワールドカップの韓国戦という特定の行事に、民団・総連の各中央本部が合意の上でともに傘下同胞の訪韓団を派遣するのです。

 いわば訪韓という「共通の目的」に向かって民団と総連が組織の壁を越えて手を取り合ったのであり、その意味でまさに歴史的な意義を持つものなのです。

 また、今事業が民団中央と総連中央の局長級の合意とは言え、中央本部同士の合意による共同事業は91年の世界卓球千葉大会以来、なんと11年ぶりのことになります。


■同胞和合の進展に期待

 民団と総連はこの間、光復50周年をともに祝おうと話し合ったり、6・15共同宣言を機に対話も行ってきましたが、ことごとく行き詰まってしまいました。

 この面からも、この参観団の派遣が両者間で合意されたことは、実に画期的なことでもあるのです。

 膠着状態にあった南北関係は、4月初めの韓国・林東源特使の訪北によって離散家族の再会事業が実施されるなど、ようやく事態打開の動きが出始めたところでした。

 民団中央ではこの間、ワールドカップを機に同胞和合を進めたいとの立場から、総連同胞とともに参観できることを心から望んできました。

 総連中央との間でこの問題について話し合いたいと、民団ではその機会をいろいろと模索もしてきました。それだけに合意に至ったことを大変喜んでいるのです。

 同参観団の派遣を機に、これまで停滞気味だった民団中央と総連中央の対話が活性化し、在日同胞社会の和合を進める上で一大契機となることが期待されます。

(2002.05.15 民団新聞)



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