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在日として「誇り」を新たに




 世界を熱狂させた2002FIFAワールドカップ(W杯)韓日大会から1カ月が過ぎました。多く同胞に夢と希望と勇気を与えた韓国代表の大活躍は、今も衝撃的に頭の中に残っていることでしょう。


■W杯のもたらしたもの

 W杯では韓国戦を中心に民団と総連同胞がともに観戦する「在日同胞参観団」を実現させました。双方合わせて1500人が参観しました。この参観団以外にも、韓国政府の配慮によって個別的に韓国戦を応援する総連同胞の訪韓も数多く実現、これには約1400人が参加しました。この中にはある地域の総連系民族学校が「修学旅行」的に実施したケースもあったといいます。

 それぞれスタンドで韓国サポーターの赤いシャツを着て「大・韓・民・国」コールを叫び続けました。「ウリ民族の代表」を力一杯応援し、感動と興奮、夢と勇気を共有したのです。

 今回の韓国代表チームの大活躍によって総連系民族学校の教員たちも、理屈抜きに「ウリ民族」としての誇りを子どもたちに堂々と伝えられるのではないでしょうか。

 さて、梅雨明けとともに真夏を迎えた日本全国では夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)をめざし、各地区予選大会が繰り広げられてきました。史上最多の約4180校が挑む中で、私たち在日同胞の胸を躍らせてくれたナインたちがいます。京都韓国学園です。


■京都韓学の挑戦・大健闘

 99年5月17日、日本高校野球連盟の定例審議委員会で「外国人学校野球部に関する特別措置」に基づき、正式加盟を承認された京都韓国学園・硬式野球部が、地区予選大会でベスト16という大健闘ぶりを見せてくれたのです。

 4年前、0ー34という大敗で公式戦デビューした同校。グラウンドの石拾いから始まったチームは、たくましい「野球部」に生まれ変わりました。

 京都韓国学園の金健博監督は4年前こう語りました。「今の実力では何十点もの大差で負ける。でも、挫折に負けないよう、子どもたちが在日としての生き方を野球から学んでほしい」

 在日同胞子弟の大半は日本の学校に通っているのが現状です。そしてそのほとんどが通称名を名乗っているのも事実です。韓国人という事実を隠している人も多いでしょう。

 京都韓国学園は、甲子園出場にまでは、まだ至りませんでしたが、私たちに大きな喜びを与えてくれました。「挫折に負けない在日同胞」の、今一つの姿を示してくれたのではないでしょうか。

 8月8日に開幕する甲子園大会。出場校の中にはおそらく何人もの同胞球児がいることでしょう。彼らの大健闘を祈るとともに、いつか全員、在日同胞球児たちが本名で出場してくれる日を待ち望みたいものです。

(2002.07.31 民団新聞)



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