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脱北の李昌成氏

日本国会で証言



 在日同胞脱北者で現在韓国に亡命中の李昌成さん(60)が25日、衆議院安全保障委員会に参考人として呼ばれ、北送同胞の窮状を訴えた。脱北者が日本の国会で証言台に立ったのはこれが初めて。「北朝鮮難民と人道問題に関する民主党議員連盟」が招請した。

 李さんが単身、北送船に乗り込んだのは62年4月。当時、20歳だった。清津に着いてすぐ、総連の宣伝が北韓の現実とはかけ離れていることを身をもって知らされる。意に反して平安南道の鉱山で採掘作業に従事。95年になってささやかな賃金さえ滞り、頼みの綱の食糧の配給も途絶えたことで「このままでは飢え死にする」と、家族共々98年に中国に逃れた。さらに2年後、NGOの手助けもありロシア経由で韓国への亡命を果たした。

 李さんは北韓での40年近い歳月を振り返りながら「ここ4,5年で想像できない数の同胞が無念の思いを抱きながら死んでいった」と明かし、「同胞を裏切った」総連の北送責任を厳しく糾弾した。さらに、現在も中国国内に潜む数多くの在日同胞の脱北者に言及、日本政府の力で自分の生まれ故郷に帰れるようにしてほしいと救援の手を差し伸べるよう訴えた。

(2002.07.31 民団新聞)



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