民団新聞 MINDAN
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韓国語を学ぶ

父母、教師から率先垂範



釜山市の中学と姉妹提携、交流
ホームステイ受け入れに備え

 【大阪】人口7万6000人(外国籍1000余人)が住む大阪・大正区の大阪市立大正東中学校(大野俊明校長、全校生徒数587人中外国籍7人)では、毎土曜日午後2時半から父母や先生ら21人が参加して「初めての韓国語講座」が開かれている。

 同校は、在日同胞多住の大阪市内にあるが、在日同胞をはじめ外国人生徒の在籍は外国籍7人のうち、韓国籍は5人と全体の1%にも満たない。

 しかし、外国人、特に在日同胞が多住する大阪という地域の特性を考え、足もとからの国際理解学習として、一番身近に感じられる国・韓国を理解する学習が地道に行われてきた。

 王仁博士作文コンクールがあることを知って同中学校生徒が応募して入選したことから、コンクール開催側の大阪韓国総合教育院(金R榮院長)の存在と出会った。以来、韓国理解のための相互の交流が続いてきた。今春には、教育院の橋わたしで韓国釜山市の温泉中学校と姉妹縁組も結んだ。現在、60人の生徒たちが、英語で文通しながら温泉中の生徒との交流を深めている。

 近い将来、生徒の相互訪問を計画しており、まず大正中側が温泉中生徒のホームステイを受け入れるホスト役を引き受けたいという意向だ。そのためには全く韓国語ができないとホームステイも不可能、とまず父母たちからウリマルを勉強することになった。

 講師は韓国の大学の日本語科を卒業し、現在は留学生として来日している姜京和さん(27)。講座は8月半ばまで全10回にわたって開かれる。

 13日の講座では、テキスト片手に校長を含め父母たちが、パッチムの発音の違いに四苦八苦しながらも一生懸命に耳を傾け、「チャル、チネショッソヨ?(お元気でしたか?)」を繰り返し読み上げていた。「この年になるとなかなか覚えられなくて。覚えては忘れ、の繰り返しです」という福田守PTA会長(53)の言葉に教室内は一気に和んだ。

 大野校長は「在日の多住地域に比べると大正区は人数も少なく、在日韓国人の存在を見落としがち。外国籍の人たちも共に生きている、ということを子どもたちに教えていきたい」と多文化共生教育の重要性を痛感していた。

(2002.08.15 民団新聞)



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