民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
第57周年光復節慶祝辞

金宰淑・民団中央団長



「共生社会」実現へ結集を
W杯韓日共同開催の成功土台に

「参政権」の早期成立めざす
釜山アジア大会でも民団・総連共同参観を
民族金融機関への支援強化

 親愛なる同胞の皆さん!

 本日、57回目の光復記念日にあたり、私はこの日を迎えられた喜びをすべての在日同胞の皆さんとともに分かち合いたいと思います。あわせて、私は今日の発展した祖国を作り上げた愛国先烈の犠牲的努力に対し深く感謝申し上げ、ここに改めて殉国英霊のご冥福をお祈りする次第であります。

 さて、わが祖国韓国は今年、日本と共同で開催したサッカー・ワールドカップ大会を見事に成功させました。あの「テーハンミングッ」の声とともに国民が一体となって代表チームを応援した光景に対し、世界から驚嘆と賞賛の声が沸き起こりました。

 それは、個人個人の自発的な応援でありながらも全体として非常に秩序ある行動をとったこと、国民の数人に一人が街頭に出て応援したという団結力に対する驚きを含んだものでありました。韓国はワールドカップ開催を通じて、経済以外の面においても世界の一流国家への道をまた一歩進めたと言えるでしょう。

 ワールドカップ大会はまた、今後の韓日関係に大きな影響を与えるでありましょう。史上初めての日本との2カ国共同開催によって、韓国と日本の関係が国民レベルで非常に近くなったことがその後の各種世論調査によってよく表れています。

 日本で共生社会実現を目指す在日同胞にとって、韓日関係の安定と友好親善の進展はこの上ない喜びであります。韓日間の架け橋的役割を担う私たち在日同胞は、ワールドカップ共催の成功を土台として、民団を中心に共生社会の実現を目指した活動を継続していこうではありませんか。

 今回のワールドカップ大会は、同胞社会の和合を進めるうえで大きな契機となりました。民団と総連が韓国内で行われた試合に対し、初めて合同で参観団を派遣したのです。

 民団は91年以降、在日同胞社会の和合を進めるため総連に対して各種交流を積極的に進めるよう呼びかけてきました。2年前の「6・15南北共同宣言」を前後して地方単位では交流が活発化したものの、中央単位ではなんら進展がありませんでした。

 同胞社会の和合を進めるのは在日同胞全体の一致した願いであります。9月に開催される釜山アジア大会には北韓が参加することになりましたが、私は南北和解と交流を促進させる意味からこれを大いに歓迎するものであります。 在日同胞社会においても和合を促進するため、私は総連中央に対し、釜山アジア大会を民団・総連がともに参観するよう呼びかけるものであり、これを肯定的に受け入れるよう期待しています。

 親愛なる同胞の皆さん!

 私たちの眼前には早急に解決しなければならない2大課題があります。ひとつは地方参政権の獲得であり、今ひとつは民族金融機関に対する支援であります。私たちは21世紀の同胞社会の飛躍的な発展のために法的・政治的権利を強化し、生活の基盤を磐石にしていかねばなりません。

 昨年来、日本国会で継続審議となっている「選挙権法案」を早期に成立させなければなりません。私たちは地方参政権を獲得することにより、不幸だった韓日関係や在日同胞と日本社会との関係に終止符を打たねばならず、21世紀には日本社会で地域住民として「共生・共栄」する生活者としての土台を確固としたものにしなければなりません。

 次に、私たちは同胞の経済生活の後ろ盾となる民族金融機関を強力に支援していかねばなりません。昨年、私たちは全国的な銀行の設立を目指して幾多の努力を重ねてきましたが、結果的に既存組合の整理統合という形で再編されました。

 私たちが日本で生活していくためには経済活動が活発でなくてはならず、これを支える健全な民族金融機関が絶対に必要であるのは再言を要しません。私たちの経済的基盤が強固であってこそ、今後も3世、4世が活力を持って生きていくことができるのです。

 親愛なる在日同胞の皆さん!

 私たちはワールドカップ大会の大成功を基礎に日本の地域社会において共生・共栄を図り、すべての力を結集して在日同胞社会の明るい21世紀を切り開いていこうではありませんか。

 2002年8月15日

 在日本大韓民国民団

 中央本部団長 金宰淑

(2002.08.15 民団新聞)



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