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中学生相互訪問10年

在日同胞が縁結び役



韓国の中学生を迎えての歓迎会

同胞過疎地で韓日草の根交流
石川県山中町と慶北・清道郡

 【石川】在日同胞が5世帯しか居住していない山中町で、10年前から始まった韓国・清道との交流が着実に根付いている。交流は地元に住む同胞が縁を取り持った。今では毎年、双方の中学生の相互訪問交流が行われている。

 慶尚北道清道郡の学生たちが毎年同町を訪れる「日韓友好清道学生研修団山中町親善交流会」は、今年は7月22日から5日間、町教委と町ロータリークラブ主催で開かれた。今回で10回目を数える。今年は、慕渓中学校と清道女子中学校の学生16人(2年生・男子8人女子8人)が招かれ、交流を深めた。

 10年前、同クラブの会員だった洪義碩さん(株式会社ミヤジマ建設社長)が、故郷・清道郡のロータリークラブとの姉妹縁組を橋渡ししたのがきっかけ。クラブ同士の交流を通して学校同士の親睦も深めようと、同町山中中学校(砂上昌一校長・全生徒数310人)と交流を始めた。10年間の蓄積を経て、同地域ではすっかり韓国や清道郡という名前にもなじみ、特に山中中学の生徒、教師らは韓国に対する理解も深い。

 洪さんは「年々若い人たちが民団離れしている中で、自分に出来ることを模索しながら地域に韓国≠フ存在を残したかった。田舎町としては画期的なことを、今まで継続してくれているロータリークラブや町の人たちに感謝している」と当時を振り返り熱い思いを語った。

 自分の子どもたちを本名で通学させるなど、田舎町の純朴な地域性が、こだわりのない自然な形で民族意識を子供たちに芽生えさせたという。

 23日に山中中学校を訪れた一行は、同校ブラスバンド部の愛国歌演奏などあたたかい歓迎を受けた。ホームステイ先となる同校生徒16人とお互いはにかみながら自己紹介したあと、図書室では茶道部のもてなしを受け、お茶のたて方に熱心に見入った。

 趙ソンドク君は、初めての和菓子を美味しそうに食べながらも「キムチ、モッコシプタ(キムチが食べたい)」と笑っていた。砂上校長は「今年はW杯も盛り上がり、人と人との交流を通してより一層子どもたちの輪が広がりを見せている」と回を重ねるごとに、子どもたちの積極的な交流に驚かされるという。

 昨年は教科書問題で訪韓できなかったが、今年は8月に韓国語の簡単な講座を設け短期特訓したあと訪韓し、清道学生たちと再会する。

(2002.08.21 民団新聞)



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