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急がれる「京義線」の再連結




 ウラジオストク(ロシア極東)での金正日・北韓国防委員長とプーチン・ロシア大統領との会談(23日)では「双方が最も関心を持つ経済問題」として韓半島南北縦断鉄道とシベリア鉄道の連結問題が協議された。両首脳は、昨年の会談で連結に原則合意しており、具体的内容が協議されたといいます。


◆「軍事保障合意書」即発効を

 27日から30日までの予定でソウルで開かれている南北経済協力推進委員会(経推委)第2回会議では、南北縦断鉄道・道路の再連結問題が主要議題の一つとなっています。韓国側では、京義線(ソウル〜新義州)再連結工事の年内完了をめざし南北非武装地帯(DMZ)内工事着手に必要な「軍事保障合意書」の早期署名・交換(発効)とそのための軍事実務会談の開催確定を主張しています。今回の会議での軍事実務会談開催確定とその誠実実践が望まれています。DMZ内の地雷除去と鉄道復旧・道路建設作業に関する「軍事保障合意書」は、昨年2月の「京義線」軍事実務会談で最終合意をみています。

 民族の大動脈である京義線の復元は、2000年6月の南北首脳「6・15南北共同宣言」に基づき開始された南北長官(閣僚)級会談で正式に合意をみたものです。韓国側は同年9月には工事起工式を金大中大統領参加の下に盛大に行いました。韓国側復元工事は、DMZ内(2`)を除いて、今年2月には終え、すでに都羅山駅まで列車を運行させています。


「東海線」着工はその後に

 ところが、北韓側は、金正日委員長自らが一昨年8月の段階で「南側が(復元工事を)開始すれば、われわれも着工する」と明言、その後の南北対話でも北韓側代表が「早期連結」を再三約束したにもかかわらず、未だに着工すらしていません。今年4月の林東源・大統領特使の平壌訪問時には、金国防委員長があらたに東海線鉄道・道路の再連結を提案し、今月の第7回南北長官級会談では、京義線鉄道・道路と合わせて「南北が同時に並行して着工する」ことを韓国側に合意させました。

 万一にも「同時・並行着工」を口実に京義線の北韓側着工を遅延させ、再連結をさらに先送りするようなことがあってはなりません。北韓側さえ、速やかに「保障書」を発効させ工事に着手するならば、京義線の年内再連結は不可能ではありません。北韓軍幹部も「京義線の北側区間工事は3カ月もあれば十分」と力説していました。

 最優先して京義線再連結を年内に実現、南北分断・対立の象徴であるDMZに風穴を開けるべきです。そのうえで、京義線鉄道の安定的・恒常的運行に不可欠な軍事的緊張緩和と信頼醸成措置の具体化のために南北軍事当局会談を開催し、南北国防相会談の定例化も図るべきです。そうしてこそ、東海線(断絶区間145q)の再連結も現実味を帯びてくるでしょう。

(2002.08.28 民団新聞)



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