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在日同胞のニーズ先取り

「生野分室」オープン



「生野分室」で業務にあたる相談員たち

大阪市高齢者センター
専任相談員4人自宅訪問も

 【大阪】大阪市は今月から生野区に設置した在日韓国・朝鮮人のための高齢者総合相談情報センター「相談分室」に専任の相談員4人を配置、高齢者福祉に関する相談や情報提供の機能を拡大した。同分室では相談員が自宅まで訪問し、区役所をはじめとするサービス機関への付き添いも行っている。市ではきめ細やかなサービスで市内に住む在日同胞高齢者のニーズに応えていきたい意向だ。

 生野分室は「御幸森コリアタウン」から徒歩で通える距離。在日同胞の最多居住地区、生野区のほぼ真ん中に位置している。今月2日、生野区在宅サービスセンター内にオープンした。

 在日同胞高齢者のための専門相談員2人を置いている西区の市高齢者総合相談情報センターが相談業務を中心に行うのに対し、同分室では自宅まで直接出向いて相談や情報提供に応じていく場面が多い。

 大阪市は生野分室設置にあたって、在日同胞2世の宋貞智さん(43)と郭菊枝さん(47)に日本人の丹治里子(42)さんと柿原郁子さん(40)を加えた4人を配置した。4人は市から委託を受けて高齢者相談情報センターを運営している市社会福祉協議会でヘルパーとして一緒にチームを組んで在日同胞高齢者のケアにあたってきただけに、息もぴったり。

 現在は在日同胞高齢者の要介護認定にあたる訪問相談員に同行したり、福祉サービスの問題で区役所を訪れる同胞のお年寄りを案内したり、各種書面づくりなどの業務に追われている。

 市総合情報センターの中川企画調整課長は「介護保険のサービスや福祉サービスが『在日』にもまんべんなく行き届くようにしていくうえで、調整役としての4人の果たす役割は大きい」と期待している。一方、宋さんは、「高齢者施設やデイサービスセンター、在日同胞高齢者宅を回り、相談や情報提供に応じながら潜在的なニーズを掘り起こしていく。さらに、在日高齢者の抱えている問題も整理しながら、在日同胞の福祉の向上に努めたい」と話している。

 02年3月31日現在、大阪市在住の在日韓国・朝鮮人は94536人。生野区には34325人が住み、このうち65歳以上の高齢者は4千人と推定されている。

 在日同胞高齢者のための相談・訪問は、月曜日から土曜日までの午前9時から午後5時まで。電話は06(6712)5505。

(2002.09.11 民団新聞)



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