民団新聞 MINDAN
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「他人ごとではない」

在日外国人無年金者の存在



国会請願署名に静かな共感
京都市内 同胞障害者と支援団体呼びかけ

 日本国籍がないため障害基礎年金の支給が認められなかったのを不服として社会保険庁に年金不支給の決定取り消し、国には損害賠償を求めて提訴した京都市内の在日同胞の聴覚障害者とその支援グループ40人余りが14日、人どおりでにぎわう市内の河原町交差点に立ち、「在日外国人障害者と高齢者の年金保障を求める」国会請願署名への協力を呼びかけた。

 請願書では、在日外国人障害者が障害基礎年金を受給できるような法改正ないしは制度措置、在日外国人高齢者に対しても年金保障、または福祉的措置を求めている。

 在日同胞のある聾唖障害者は「私たち永住権を持っています。日本人と同等の保障をしてほしい」と手話ボランテイアを介して訴えた。また、日本人の支援グループもハンドマイクを片手に在日同胞が制度的に年金制度から排除されてきた現状を分かりやすく説明した。

 署名に応じた市民のうち長谷部勝さん(49)は「家内が脳溢血で障害者になりました。在日の障害者に対する保障は当然です。他人事とは思えない。こうした問題に一人でも関心を持ち、理解してほしい」と述べた。愛知県から観光に来たという年輩の親子連れも、「やはり公平にしてほしい。人間みな同じですから」と話していた。

 京都府内在住の水谷美代子さん(54)は「日本人一般が在日外国人一般に寄せるよそ者意識をまず、変えていかなければならない」と厳しい口調で語っていた。中には「学校で障害者について学習しています。役に立てればと思った」と話す2人連れの中学生も見られた。

 年金訴訟をバックアップしている「支える会」の増野徹事務局長は「河原町交差点は繁華街のため遊び心で来ている人も多く、署名活動には適していないかもしれない。それでも、あえてこうした遊び心で行き来する市民たちに訴えていくことは大きな意味があった」と話していた。

(2002.09.18 民団新聞)



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