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金・目標83個総合2位へ意欲

釜山アジア大会9月29日から10月14日まで



北韓出場で南北交流へ
44カ国・地域参加で過去最大

 1951年の第1回ニューデリー大会以降、4年に一度開催されるアジア競技大会。29日から10月14日まで、釜山で開催される第14回釜山アジア競技大会には、アジアオリンピック評議会(OCA)の43加盟国と準加盟国の全44カ国・地域が参加する。韓国国内で開催される国際大会に北韓選手団が初出場し、アフガニスタン、東ティモールも加わるなど歴代最大規模のアジア大会として注目されている。

 「希望と飛躍、新しいアジア」を理念とする今大会は、韓国では86年のソウル大会に続き16年ぶりの開催となる。また首都以外で開催されるのは94年の広島大会に次いで2度目になる。

 異なる理念や文化、宗教を乗り越え、スポーツを通じた民族の和合と、そして南北統一への念願を込めた今大会には、9900人を超える選手・役員が参加。うち、カバディを除いた37競技に出場する韓国は最多の1008人、北韓は18種目311人、中国946人、日本986人と、選手団も過去最大のものとなる。

 今回、38種目の競技に使用される競技場は43施設。うち12競技場は新設されたもの。釜山広域市以外の蔚山、昌原、馬山、梁山の4都市では、13カ所の会場でラグビー、卓球、ハンドボール、ボクシング、レスリング、サッカーなどの競技が行われる。

 室内体育館、野球場などを備えた釜山総合運動場の敷地内には、昨年7月に完成したメーン会場の釜山アジアードメインスタジアムがある。

 同会場は8万人を収容できるマンモス競技場で、開閉会式と陸上、サッカーの決勝戦が行われる。幕で覆われた球形の屋根は、海から上がってくる太陽をイメージしたもので、一際目を引く会場でもある。

 今大会で韓国は、83個の金メダルを目標に掲げ、総合2位を目指している。お家芸のテコンドーをはじめ、フェンシング、アーチェリー、射撃、柔道などでメダルの期待が高い。

 第1回大会から第8回バンコク大会まで、金メダル獲得1位の座に君臨していた日本を、82年の第9回ニューデリー大会で破って以降、その圧倒的な力を見せている中国に続くのが韓国と日本だ。

 2年前のシドニー五輪のフェンシング・フルーレで韓国初の金メダルを獲得した金永浩選手や、同五輪で個人・団体の2冠に輝いた、アーチェリー女子代表の尹美進選手、アジア大会2連覇を狙う卓球の金擇洙選手をはじめ、韓国プロ界最高の選手らで構成された野球やサッカーなどが、どこまで日本を抑えられるか、総合2位を目標にする韓国の活躍が注目される。


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アジアの和合に寄与
大韓体育会 李衍澤会長

 釜山アジア大会は日本の広島に次ぎ、アジアで2番目の地方都市開催となる。地方都市で開催するということは、地域活性化の面からも重要だと思う。

 釜山はワールドカップサッカー(W杯)の組み合わせ抽選を行った地であり、W杯も成功裏に導くなど、国際試合の経験もある。釜山周辺の韓国南部地域は、先の水害や台風により打撃を受けたが、復興も順調に進んでおり、底力を見せたいと思う。

 西海銃撃戦で一時は緊張関係にあった北韓もW杯での韓国代表チームの活躍を録画放送していたというほど関心を示した。

 このほど、南北サッカー試合も実現したように、スポーツを通じた南北交流を推進していく大きな追い風になる。

 国民も8月のギャラップ世論調査で、70%が北韓の参加に意味があると答え、北の選手団への経費支援にも肯定的な評価をしていることが明らかになった。

 大会組織委員長として臨んだW杯は、世界を一つにする祝祭だった。大韓体育会の会長に就任して初の国際競技となる今大会は、アジアの和合に大きく寄与するものにしたい。

 未だ緊張が続くアフガニスタンからの参加を含め、アジアの全地域から参加することに大きな意味がある。

 今大会の韓国チームの目標は、中国に次ぐ2位の成績をあげることだが、韓国スポーツ界全般にわたるてこ入れの契機にしたい。


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文化行事も多彩に

 今大会では大会を前後して多彩な文化行事が行われている。

 30日から10月6日まで、オリンピック公園で行われる国際タル(マスク)展示とタル踊り公演は、韓国とアジアのタル250点の展示と珍しいタル踊りを披露する。

 10月4日から6日まで、釜山広域市庁展示室で開催される伝統食べ物の展示会は、韓菓、花煎など200種の伝統的な食べ物を紹介する。

 9日から13日まで、チャガルチ一帯で開催される釜山チャガルチ祝祭は、刺身定量測りや刺身料理大会などで人気を呼んでいる行事だ。

 このほかにも、宮廷服や妓生服、創作服など149着の韓服を紹介する、2002アジア競技大会を祝う韓服ファッションショーや、オペラ「カルメン」公演も行われる。

 また、釜山の土俗的な踊りの動作を創作した「兜率天舞」公演、韓国とアジアの作家たちの水彩画約140点を展示するアジア水彩画大展なども開催される。

(2002.09.25 民団新聞)



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