民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
参政権、今世紀中に立法化を


 六月議会において東京都狛江市議会は、本団が要望していた地方参政権に関する意見書を賛成多数で採択した。

 一方、朝鮮総連が提出していた反対陳情は賛成少数で否決した。

 同じ住民としての私たちの要望の正当性を認め、総連の不当な反対を退けたもので、本団は狛江市議会の良識を評価したい。

 総連の反対を口実に、まだ決議を保留している一部議会においても、同じ住民としての私たちの要望を受け入れ、また最高裁判決を尊重して一日も早く決議することを望む。

 狛江市議会についで、静岡県岡部町議会でも意見書が採択された。そこには次のように明記されているので紹介したい。

 「本町の永住外国人は、我々町民と等しく、地域社会の一員として納税等の法的義務をはじめ社会、教育、経済、文化などのあらゆる分野において同じ住民として善隣友好を深め、地域社会に貢献している」。「我々は、地方自治の性格、国際的動向などから見てこれらの人々に、地方参政権が与えられるべきであると考える」。「よって政府は、定住外国人の地方参政権付与のための立法措置について、検討を開始されるよう要望する」。

 このような意見書がすでに千三百以上も日本政府に提出されている。これ以上政府は意見書を座視することなく、一日も早く立法化に向けた措置を取るべきである。


日本政府の「包容力」促す

 五月下旬、韓日外相会談で韓国政府は在日韓国人の地方参政権付与問題に関し、日本政府が包容力を持って対応するよう要請している。これに対し、日本政府は在日韓国人の地位向上のため継続努力していくと答えているが、立法化に向けた具体的な作業をしているとはいえない。日本政府の「包容力」を促したい。

 ちょうど今、参議院議員選挙が七月十二日の投票に向けて選挙戦がたけなわである。本団ではこの選挙の結果を注視せざるをえない。私たちが求める地方参政権は、日本の国会の場においてのみ法制化される。 そのためには、国会議員と政党の賛同が不可欠である。

 私たちの要望が速やかに成就されるよう、本団の全団員が一丸となって地方参政権獲得運動の主翼となり、国会議員及び政党に対する要望活動に積極的に臨ばなければならない。

 私たちの願いは今世紀中に地方参政権を獲得することである。二十一世紀には私たちの子孫が民族的誇りと韓国籍を持ったまま、堂々と国際人として生きていける土台をつくっていかなければならない。その信念のもとに本団は地方参政権獲得運動を挙団的に推進している。


共生共栄社会実現のために

 戦後五十数年間、私たち在日韓国人は、日本の友人たちとの「共生・共栄」を願って同じようによろこびも苦しみも味わってきた。生活の場である地域社会の発展のため、私たちも日本の友人たちとともに、応分の貢献をしてきた。

 そのような意味で、地方自治体参政権の実現は、私たちが日本の地域社会に名実ともに参加する権利が保障されることである。またこの地方参政権が実現されてこそ、在日韓国人は良き隣人として、日本の発展により一層大きく貢献できるのである。

 地方参政権の実現は在日韓国人問題の根本的解決をはかるものであり、私たちはその実現に向け、共に歴史的使命を持って行動し、邁進していこう。

(1998.7.08 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ