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「在日同胞史」肉声で

民団福島の成団長 公立高で初の授業


「韓日の歴史の狭間に生きて」をテーマに授業する
成鍾泰団長

 【福島】日本の高校生たちに在日同胞の歴史と差別の実体を理解してもらおうと、民団福島県本部の成鍾泰団長が六月二十四日、県立石川高校で二年生の三クラスを対象に日本史の授業を行った。

 「韓日の歴史の狭間に生きて」がテーマ。コメの配給を受けるため創始改名しなければならなかったことや高校時代に柔道の国体代表選手に選ばれながら出場できず、日本人女性との交際で相手親から反対され、銀行からも融資を受けられなかったなど、国籍を理由に差別された自身の実体験が語られた。生徒たちからは「同じことをされたらきっと嫌なはず」「差別は嫌い。自分の行動で証明したい」などの声があがった。

 また、地方公務員の国籍条項や地方参政権の話に及ぶと生徒たちからは「消防士や警察官になれないなんておかしい」との声があがった。授業を見守っていた庄司一幸教諭も「どうすればいいのか皆で考えてみよう」と促した。

 県教育委員会の外部講師活用事業の一環として行われた今回の授業だが、民団の役員が公立高校の教壇に立つのは初めてのこと。

 成団長は「日本の若者たちに少しでも多くの在日同胞の友達を作ってほしい。互いに認め合って仲良く暮らしたい」と抱負を語っていた。

(1998.7.8 民団新聞)



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