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審議会設置を要望

「外国人市民との懇談会」広島市長に答申


 【広島】広島市の「内なる国際化」推進のための課題を検討してきた「外国人市民との懇談会」(座長・山本敬三広島修道大学法学部教授)は、このほど「共に生きるまちづくりの基本方向」を答申としてまとめ、平岡敬・広島市長に提出した。同報告書では、永住・定住外国人住民の意見を恒常的に行政に反映できるシステムが欠かせないとして、最終的には審議会の設置を求めている。

 同懇談会は平岡・広島市長の私的会議として九七年九月に発足した。メンバーは在日同胞を含む学識者ら十二人で構成、“外国人と共に暮らす、暮らしやすいまちづくり”をテーマに三回にわたって話し合いを重ねてきた。この結果、今後の外国人住民施策の「行動目標」としては(1)外国人市民のニーズに対応した行政サービスの提供、(2)外国人市民の社会参加促進、(3)常に外国人市民から意見を聞き尊重することが必要  ―としている。

 広島市はこれまでにも市の総合計画審議会や区まちづくり懇談会で外国人を任用し外国人住民の意見に耳を傾けてきたが、ともすると新規来住外国人に偏重してきた。このため市内在住外国人の三分二を占める永住・定住外国人の声がなかなか市行政に反映されにくい面があったと指摘している。

 そのうえで同報告書は、外国人住民の抱えている課題が在留形態や立場によって多種多様なことから、行政自ら在日同胞をはじめとする外国人住民の意識や生活実態の把握に努め、きめ細やかな行政サービスを実現していくよう市側に求めている。

 同懇談会は三月三十一日でいったん任期を終え、解散した。ただし、各委員からは外国人住民の意見が行政に反映できるシステムとして会議の継続を望む声が強く、最終的には審議会などへの格上げを求めている。これに対して懇談会を推進してきた市民局国際平和推進室では、会議の継続については今後の課題として検討している。

(1998.7.8 民団新聞)



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