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偉業達成

囲碁・趙治勲とゴルフ・朴セリ


本因坊10連覇を達成した趙治勲


囲碁・趙治勲
前人未到、本因坊10連覇
揺るぎない「大3冠」確立

 日本の囲碁界で活躍する趙治勲本因坊(42)が前人未到の十連覇を成し遂げた。

 茨城県大子町の袋田温泉ホテルで行われた第五十三期本因坊決定戦七番勝負の第六局で趙本因坊は、挑戦者の王立誠九段に百五十四手で中押し勝ちし、四勝二敗で十連覇を達成。通算十二期目の本因坊位を防衛した。

 「金字塔」ともいえる十連覇を達成した趙本因坊は「これまでは勝つことを意識したことはなかったが、今期は初めて十回目ということを意識しました。たくさん幸せをくれたんだなあと思います」と喜びを表した。また、「あと五年が私の勝負。歴史上の大名人が垣間見たものを見てみたい」と言う。

 これまでの本因坊防衛記録は高川格名誉本因坊の九連覇。趙本因坊は前期の防衛時に九連覇に並び、今期で記録を塗り替えた。これで趙本因坊は、名人、棋聖の囲碁界三大タイトルを合わせ持つ「大三冠」を揺るぎないものにした。

 一九五六年、釜山で生まれた趙本因坊は、六歳の時に来日。木谷実九段に入門した。メキメキ頭角をあらわし、六八年には十一歳で初段に。これは現在も最年少記録として残っている。

 七五年にプロ十傑戦で初タイトルを手中にした。八〇年には二十四歳で兄弟子の大竹英雄名人を倒して名人位に就いた。

 八一年には、武宮正樹本因坊を破って初の本因坊位に就任した。連覇後、林海峯九段に本因坊位を奪われたものの、八九年に武宮正樹本因坊を再度破って返り咲き、十連覇を達成した。

 五連覇の時点ですでに名誉本因坊資格者となり、名人位でも名誉名人資格を持っている。十連覇の中には、小林光一棋聖、名人、碁聖との戦いで、三連敗の後の四連勝という名勝負も残した。


本因坊10連覇を達成した趙治勲


ゴルフ・朴セリ
全米メジャーで2冠
賞金ランクも堂々トップ

 世界のゴルフ界は昨季がタイガー・ウッズ(米国)の年なら、今季は朴セリの年となりそうだ。

 全米女子プロ、全米女子オープンというメジャー2冠を最年少記録で達成した、女子ゴルフ界のスーパールーキー、朴セリ。

 規定の18ホールでは決着がつかず、サドンデスにまでもつれ、ゴルフ史に残る死闘となった全米女子オープン。そしてそのすぐ翌週、米女子プロゴルフツアーのジャミー・ファー・クローガー・クラシックで朴セリがあらためて怪物ぶりを印象づけた。

 初日は71の63位と出遅れた。20ホールのプレーオフに及んだ全米女子オープンの疲れを感じさせたが、二日目に驚異的な61をマーク。「九時間寝たら回復した」と言い、体力に加えて、精神力も超一級だ。

 結局、四日間通じて261ストロークは米女子ツアー新記録。23アンダーは同最少タイ記録。

 女子ゴルフ界最高峰の全米女子オープンからの二週連続優勝は、史上三人目となる。今季の賞金ランクでも、六十四万五千百七十ドル(約九千百六十万円)でトップに躍り出た。

 朴選手の大活躍によって、韓国では、深刻な経済不況にもかかわらず、ジュニア世代のゴルフが急速に熱を帯び始めたという。また、朴選手の協賛スポンサー「サムスン」が系列デパートを動員、優勝記念特別セールを始めた。

(1998.7.22 民団新聞)



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