民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
ひと味違った光復節式典
「共生と全世帯」合い言葉に

25年ぶり野外集会に1万人(民団兵庫共生フェスタ)
多民族舞台に大拍手(民団北海道)
家族総出で焼肉(民団茨城)


サッポロファクトリーで
開かれた「ピビンバフェスタ」

 【兵庫】民団兵庫県本部(李且守団長)の光復活節は十五日、神戸市のマリンピア神戸で行われた。同胞和合と地域社会との共生をめざす二十五年ぶりの野外開催には約一万人が集まり、夏の一日を韓国の舞踊、料理のほかアジアの“民族”にふれる祭典になった。

 一部の式典で李団長は、本国の経済支援や信用組合の統合、今世紀中の地方参政権獲得を掲げながら、「みんなの力で輝かしい兵庫本部を築こう」とアピール。駐神戸韓国総領事館の李秀煥総領事が、金大統領の慶祝辞を代読した後、中央本部の権炳佑副団長が、阪神大震災の被災者救済・支援に奔走した西宮支部の李彩玉前支団長に中央団長の表彰状を手渡した。

 二部のステージでは韓国伝統舞踊のポドゥルフェや鄭光均さんのオカリナ演奏、日本の和太鼓、フィリピン音楽など、アジアの音と踊りが競演し、観客を盛り上げた。会場ではJリーグヴィッセル神戸の金度勲選手のサイン会がちびっ子ファンを喜ばせた。

 新聞報道を見て駆けつけたという祐村明保育園園長(55)は、「日本人にとってきょうは重い日だが、従来の枠を乗り越えた共生の集いになった」と語る。県本部の具謨俊監察委員長も「同胞が集まることで力になる」と大会成功を喜んだ。

 大韓民国建国五十周年を祝う第五十三周年光復節は例年のように各地で開催されたが、近年は二世三世が参加してみたいと思う企画が相次いで行われている。これまでのような会館で式典と芸能公演だけでないひと味違った光復節式典が行われたところを紹介する。


 【北海道】民団北海道本部(玉基性団長)が創団五十周年記念として企画したのは、在日、アイヌ、琉球、大和(日本)民族が互いに理解し合い共生しようとの趣旨で開いた「ピビンバフェスタ」。

 十六日に札幌市内で観光地としても有名なサッポロファクトリーで開かれたフェスタには、在日を代表して朴貞子舞踊団、東京ピビンバクラブが出演。またアイヌ代表は伝統楽器を駆使した「OKI」、琉球代表として喜納昌吉とチャンプルズ、日本代表は北海道のどさんこ太鼓がそれぞれ出演した。

 特設ステージの周囲には、はるばるバスで駆けつけた道内の団員らはじめ買い物客の日本市民らが取り巻いた。吹き抜けの四階テラスまで観客が鈴なりとなった。中にはフェスタを見るために駆けつけたという日本人カップルもいた。

 ステージではポップス、伝統音楽、舞踊などそれぞれが民族性を発揮しながら迫力ある演技が披露された。中でも、舞踊団が披露したサムルノリには圧倒されたようで、演技終了後にはスタンディングオベーションがなり止まなかった。琉球のアイデンティティを見せながら平和を訴えたチャンプルズの喜納さんは「これまでいざこざがあった四つの民族を結びつけるなんて在日はいいセンスしてる」と企画をほめた。

 フィナーレの農楽は出演者全員と団員や観客がなだれ込んでの大団円となった。参加した七百余人の団員ばかりでなく四時間のステージに居合わせた日本市民らを含め五千人以上がフェスタを楽しんだ。


 【茨城】光復節はみんなと楽しもう―。

 民団茨城県本部(李信吉団長)は十一日、「家族で楽しむ光復節を」と昨年に続き、光復節記念式典を海辺の会瀬青少年の家で二百人余りの団員らが参加して行った。

 式典に続き、昼食のバーベキューでは本部が用意した肉三十キロとキムチ十キロが参加者たちのお腹におさまった。特に、小中高生の林間学校参加者全員が林間学校で覚えた韓国童謡「サントッキ」を早速披露、見守るアボジ、オモニらの頬をゆるませた。

 李団長は「このような行事に若い人がどんどん参加して、自然な形で民族に触れてほしい」と語りながら来年の光復節にはもっと大勢とともに楽しめる一日にしたいと強調した。


 【愛知】名古屋市公会堂で二千人規模の式典を開催した民団愛知本部(権泰洙団長)は、第二部で各支部が寸劇、合唱、民族舞踊などの出し物を持ち寄り、競い合った。この各支部対抗競演大会は、支部活性化のため二年ぶりに開かれたもの。成績は次のとうり。優勝・春日井支部(舞踊)、準優勝・瀬戸支部(寸劇)、三位・東中支部(寸劇)、知多支部(舞踊)。

(98.8.19 民団新聞)



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