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「北韓難民基金」が発足

脱出者の自立支援へ



多くの入会を呼びかけた「難民基金」

 北韓からの脱出者の生活を支援し、保護や難民認定を目指す市民団体「北朝鮮難民救援基金」が十日、東京の文京シビックホールで発足総会を開くと同時に北韓脱出者・呉寿龍夫妻の講演を行った。

 同基金の活動方針案は(1)北韓で行われている非人道的な人権抑圧の実態を広く知らせる(2)脱出者の自立や第三国での定住を援助する(3)難民センターの設置を目指す―などが柱となっている。

 代表の中平健吉弁護士(73)はアムネスティインターナショナル日本支部長などを歴任してきた人物。「助けを求める人を見過ごすことはできない。一人でも多くの難民救済を」と多くの会員入会を呼びかけた。

 また、講演で呉夫妻は、北韓の生活の悲惨さと自由を得た時の喜びを語り「世界中の多くの人たちに実態を知ってほしい」と涙で声を詰まらせていた。

 苛酷な労働と貧困から逃れ北韓を脱出し、中国国境沿いで身を隠しながら暮らしている北韓同胞は現在、五万人とも十五万人ともいわれている。そのほとんどが安全に暮らせる第三国への出国を望んでいるが、多くが人身売買や監禁、密告によっての逮捕など悲惨な状況下にあるという。

 年会費五千円。問い合わせは電話03(3815)8127加藤さんまで。

(1998.9.16 民団新聞)



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