民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
ハラポジ・ハルモニ
長寿祝いチャンチ

各地で敬老行事たけなわ



赤いちゃんちゃんこをはおって敬老チャンチに臨む
ハラポジ・ハルモニたち(9月12日、千葉の敬老行事)

 今年も「敬老の日」を前後して全国各地の民団や婦人会が敬老チャンチを主催した。婦人会の用意した心尽くしの料理を味わったお年寄りは、飲むほどに酔うほどに元気に。ほおがちょっぴり赤らむと、懐かしい故郷の民謡を背に踊りだした。つらかった激動の時代をひととき忘れ、いまが青春とばかり人生を謳歌しているかのようだった。

 「敬老の日」を前後して全国各地の民団や婦人会が趣向を凝らした敬老チャンチを開催して同胞お年寄りを慰労した。急速に進展する高齢化の現状を映し出してか参加者は年々増える傾向にある。

 このため、招待客を七十歳から七十五歳以上に引き上げている民団も珍しくはない。いずれの会場も元気なお年寄りであふれかえっていた。

 なお、百歳以上の同胞高齢者は全国で六人が確認されている。民団中央本部では、十五日を前後して各高齢者に五万円の「長寿祝賀金」を贈った。


■80人の長寿同胞を招待

 【千葉】婦人会千葉県本部(金由美子会長)が千葉市内の結婚式場で主催した敬老チャンチには、お年寄りだけで予想を大きく上回る八十人以上の招待客が詰め掛けた。中には杖を手にした夫婦同伴のお年寄りの姿もみられた。この日を楽しみにしていたという。痛む足をひきずりながらの参加だった。

 幸せを呼ぶといわれる赤いちゃんちゃんこを身にまとい、朴昇浩民団千葉県本部団長ら と共に記念写真におさまっていた。


■母国の天然水を贈る

済州道の天然水をプレゼントした神奈川・南武支部

 【神奈川】民団南武支部(徐泰源支団長)は十五日の「敬老の日」にちなみ、済州道産のミネラル・ウオーター「サム・ダ・ス―」を持って管内同胞老人宅を戸別訪問している。「サム・ダ・ス―」は弱アルカリ性で、疲労などで酸性に傾いた体を中和し老化を防止する働きがあるとされる。

 同支部が「敬老の日」にちなんで同胞家庭を戸別訪問するのは、昨年に続いて二回目。今年の贈り物「サム・ダ・スー」には、「不老長寿」を願う気持ちが込められている。二リットル入りペットボトル六本が一セット。「祝長寿」と書かれたのし紙には「いつまでも長生きを」と韓国語でしたためてある。

 同支部では婦人会や青年会、商工会などと協力しあい、管内在住の七十歳以上の同胞お年寄り百五十人を対象に七日から一軒ずつ戸別訪問しながら配って歩いている。

 民団役員の訪問を受けた金正甲さん(84)と黄光義さん(73)は「いい思い付きですよ」と、それぞれ笑顔で出迎えていた。また、朝の水一杯が健康の秘訣という金性徳さん(80)は、「韓国はいい水が出ていいね」とうれしそうだった。


■130人、温泉に招待

 【福岡】九州地域の最大手支部である民団福岡支部(宋一柱支団長)が十日、一足早い「敬老祝賀会」を福岡市内の温泉センターで開催し、約百三十人のお年寄りが参加した。当日は婦人会の手作り料理のおもてなしや、歌謡ショーを行い、これまでの苦労をねぎらった。

 ハラボジ・ハルモニの中には、年に一回の敬老会を楽しみにしている人も多く、歌謡ショーでは民謡に合わせて踊りの輪ができていた。


■手作り韓国料理でもてなし

 【大阪】民団大阪府本部管内各支部の皮切りとなる泉大津支部(金徳洙支団長)主催の敬老会が五日、泉大津市民会館で開かれた。同胞お年寄りら二百人余りが参加、洪性仁民団大阪府本部団長や茶谷輝・和泉大津市長らからお祝いの言葉を贈られた。このあと、婦人会が丹精を込めた韓国料理の数々を味わい、歌や踊りを楽しんだ。


■北から南から敬老行事

 お年寄りに喜んでもらおうと、民団北海道本部では七十歳以上を対象として十月に定山渓温泉への一泊旅行を計画している。四年前に初めて実施、好評だったことから毎年の恒例行事となっている。昨年は百二十人画参加した。同じく、民団宮城県本部でも十三日、お年寄りを温泉に招待した。

 民団京都・乙訓支部では十三日、三高山で野遊会を開催した。この山は支部団員の所有だったこことから今年初めて実現した。

 このほか、民団兵庫・阪神支部では十四日、明石大橋を渡り淡路島への慰安旅行を実施した。また、同・尼崎支部でも同じ日、神戸フルーツフラワーパークで慰安祝賀会を行った。


韓国民謡のリズムに
笑顔たっぷりに踊り出すハルモニたち

■婦人会東京は恒例の「長寿会」

 婦人会東京本部(康仁順会長)が十日、韓国中央会館で開催した「長寿会」にはお年寄りだけで百人あまりが参加した。この日の最高齢参加者は閔丙俊ハラボジ(板橋)と洪千ハルモニ(荒川)。ともに八十九歳ながらいたって元気。

 また、同本部から米寿の花束を贈られた洪斗里ハルモニ(88)は、今日まで十数年間にわたり婦人会東京の顧問を務めている。洪顧問は「卓球を続けてきたのが健康の秘訣」と、意気軒高なとこをみせていた。

(1998.9.16 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ