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21世紀を目指した包括的協力関係へ

韓中首脳会談で共同声明
幅広い交流で具体策



中国を訪問し江沢民主席と
共同声明を発表した金大中大統領(右)

 中国を公式訪問した韓国の金大中大統領は十二日午前、中国の江沢民国家主席と北京の人民大会堂で単独および拡大首脳会談を行い、両国関係や北韓を含む北東アジア情勢について意見を交換、韓中関係をこれまでの「善隣友好協力関係」から、二十一世紀を目指した包括的な「パートナーシップ関係」に引き上げ、政治、安保、経済、文化、環境、人的交流などの各分野で協力を拡大することなどを盛り込んだ「共同声明」に合意、十三日に発表した。

 声明は十二章で構成され、中国側によると、一九九六年のロシアとの共同声明に次ぐ長文という。

 声明では「両国間の善隣友好協力関係に基礎を置き、未来を望みながら、中韓協力パートナーシップを構築する」と宣言した。

 共同声明は「国交正常化以来、両国関係は政治、経済など諸分野で注目すべき発展を遂げた」と満足を表明し「こうした発展は北東アジアを含む地域の安定と繁栄に寄与してきた」と評価している。

 また金融危機をめぐり、両国は危機克服のため情報交換と経済研究機関の協力強化を決定、韓国側は中国の人民元安定が危機緩和に寄与したと高く評価した。

 韓半島情勢について中国側が「最近の南北間の民間経済交流による肯定的な進展を歓迎し、平和統一実現を支持する」と表明。双方は「四者会談を通じ韓半島で恒久的な平和体制が漸進的に樹立されるよう希望する」ことで一致した。

 さらに「金大統領が江主席に韓国を訪問するよう招待し、江主席は快諾した」ほか、指導者や政府各部門間の交流拡大や三十四項目にわたる具体的な協力項目にも合意した。


■江主席が太陽政策に理解

 中国はこれまで北韓に配慮して韓中関係を経済中心に限定し、政治や安保面での関係強化を控えてきたが、これで両国関係は一段階高まることになった。

 両首脳は、韓半島や北東アジアの平和と安定のために協力するとの原則を確認し、このため両国の指導者、政府各省、議会、政党などの交流強化に合意。

 金大統領は、北韓を開放・改革に導くため中国の建設的な役割が重要と強調。江主席は韓国の対北韓政策への支持を表明し、現代グループが推進している金剛山観光など交流協力が南北関係改善や韓半島を含む北東アジアの安定に寄与するとの立場を明らかにした。

 金大統領はアジア経済危機克服のため中国が人民元の切り下げを回避していることを高く評価した。

 また、北東アジアの平和と安定のため、南北韓、米国、日本、中国、ロシアの六カ国協議の必要性を訴えた。

(1998.11.18 民団新聞)



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