| 東京・水道橋にある在日韓国YMCA |
韓国文化の拠点に
二・八独立運動ゆかりの在日本韓国YMCA(千代田区猿楽町、林光振総務)が、同会館地下に三次元の可動空間を持つ多目的ホールの建設を急いでいる。映画・演劇、マダンノリ、シルム、レセプション、ライブ・コンサートなど八通りに利用できる多目的ホールだ。同ホールでは韓国文化を広く日本社会に発信していくことにしているが、韓日両国の大衆文化交流の場としても活用が期待されている。
ホールは、舞台効果を高めるため、最新のテクノロジーが取り入れる。舞台は部分的に高くするのも低くするのも自在。照明器具は可動式で、下にも降りてくる。また、仕切りは自由に動かせるので、舞台づくりにあたって必要な空間だけをつくれる。このほか、客席も用途にあわせて様々なバリエーションを設定できるといった具合。
たとえば、シルムやマダンノリの舞台では、直径十一メートルの中央配置型にし、周囲に三百席を置く。フアッションショーに使う場合は、長さ十一メートルのせり出しを含めて全体で六十二平方メートルの舞台を作ることができる。セミナーでは最大三百六十席を設けられる。
在日韓国YMCAでは二年前、創立九十周年を迎えたころから百周年に向けてどんな役割を果していくかを論議してきた。
その際、各理事の間からは、民族の歴史と伝統文化を継承しながら、また日本人だけでなくアジア諸国の若者と共に生きる社会を建設するために最善を尽くすべきだとの声が多く出たという。
また、昨年八月になって、地下のプールが営業不振で閉鎖に追い込まれたこともあり、代わって「在日本韓国文化紹介館」(仮称)を地下に建設することにした。
総工費三億五千万円の大部分は韓国政府からの支援に頼った。IMF事態で元金が目減りするという思いがけない事態もあったが、建設業者とも交渉、工事代金の支払い予定を繰り延べるなどして九月から工事を進めている。オープンは九九年二月八日の予定。
現在、在日韓国YMCAでは、韓日文化を紹介する施設としてふさわしい名称を公募している。
(1998.11.18 民団新聞)
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