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天皇訪韓、2000年に実現を

韓日閣僚懇談会で韓国側



薩摩焼発祥の地、美山を訪れ地元同胞や
市民らに手を振る韓日首相

新漁業協定に調印

 【鹿児島】十月の金大中大統領の訪日時に交わされた韓日共同宣言の行動計画に基づく韓日閣僚懇談会が十一月二十八日、鹿児島市内のホテルで金鍾泌国務総理、小渕恵三首相ら韓日の主要閣僚ら十三人が個別および全体で二十一世紀に向けての新しい韓日パートナーシップ構築に向けて忌憚のない意見を交わした。

 この閣僚懇談会で韓国側は、二〇〇〇年に日本天皇の訪韓を正式に要請した。また新たな漁業秩序を盛り込んだ韓日新漁業協定に調印した。 閣僚懇はまず、朴泰栄産業資源部長官と堺屋太一経済企画庁長官との会談を皮切りに政治、経済、貿易・投資、安全保障、文化交流など八分野の個別会談で意見交換が行われた。個別会談の内容を受けて全体懇談会が行われた。

 両首相同士の懇談で金総理は天皇訪韓について「二○○○年という節目の年に訪韓していただきたい。新しい世紀に第一歩を踏み出す転機でもあり、お願いしたい」と強調し、実現に向けて両国で環境を整えたいとの意向を表明した。

 これに対し小渕首相は「趣旨は受け止める。温かく(韓国に)迎えられるような環境づくりをしていきたい」と答えた。また、金首相は北東アジアの経済安定のために三千億ドル規模の「アジア基金」創設を提唱した。

 北韓情勢で金首相は「北を刺激せず忍耐を持って対応していくことが重要」と指摘しながら、金剛山開発を例に挙げ、北韓との関係に「風穴」を開けたいとの意欲を示した。また韓日米三カ国が緊密に連携し、北韓問題に対応していくことを確認した。

 一方で、地下核施設問題には「確固たる態度を取ることが大事」と強調、小渕首相も北韓のミサイル発射を指摘して「対応すべきものには厳しく対応していこう」と述べた。

 両国外相会談では、二国間投資協定締結の予備交渉を開始することで合意した。閣僚懇談会終了後に高村正彦外相と洪淳瑛外交通商相が、両首相の立ち会いの下、新たな日韓漁業協定に署名した。

(1998.12.02 民団新聞)



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