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地域社会参加へスクラム

外国籍県民かながわ会議
金廣煕会長に抱負を聞く



知事から委嘱状を受ける金廣煕さん

 【神奈川】韓国・朝鮮籍など外国籍住民二十人で構成する「外国籍県民かながわ会議」が十一月二十一日に第一回会議を開き、正式にスタートした。二年間の任期で外国籍住民の立場から暮らしやすい街づくりについて討議し、県政に反映していく。会議の運営をつかさどる委員長に就任した金廣照さん(49)にこれからの抱負を聞いた。


■「外国籍県民かながわ会議」委員の公募に応じた理由は。

 外国人と日本人が共生できる社会に自分たちも参加したいというのは、長年の夢だった。これまでチャンスがなかったが、川崎市で代表者会議ができてからはぜひ、横浜でもと思っていた。この機会を逃したくなかった。


■会議で取り上げていきたいテーマはなにか。

 幼稚園に入園を希望していた外国籍の幼児が言葉の問題で受け入れられないということがあった。これは取り上げていかなければならない。二つ目に入居差別を当たり前とする不動産業界の体質、三つ目には「商品券」構想についても支給対象から外れたニューカマーの定住者から問題提起されているので、話し合っていかなければならないかもしれない。


■第一回会議では、在日韓国人以外からも地方参政権に対する要望が目立ったが。

 コリアン以外の人たちが問題にしていたね。確かに私も、民団の中では地方参政権が取れればほとんどの問題は解決するといってきた。ただし、総連側がいい顔しないし、ごりおししないで彼らに言ってもらって一般的にまとめていこうと思う。会議を民団と総連の論争の場にしたくないし。


■委員長に押されるという予感のようなものはあったか。

 全然なかった。あえていえば、副委員長ぐらいにはなって、議論がぶれないようにしなければいけないぐらいのことは思っていたけれどね。


■歴史的経緯の違うオールドカマーと、難民を含むニューカマーとの間にたってどうかじ取りをしていくのか。

 県民会議はニューカマーを含めた全部の外国人という形で“法律”をつくろうとしているわけなんです。在日韓国人の歴史的経緯が違うというのは全体の基調で押さえるけれど、あえてそれを普遍化して、ニューカマーを含めたみんなが地域社会の一員として参加できるよう全体の底上げを図りたい。

 今度の「商品券」についても、永住者だけでなく、定住者も含められないのかという原則から掘り起こしていくことになると思う。

(1998.12.02 民団新聞)



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