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マダンの歓声美山に響く

薩摩焼400年祭で九州同胞がチャンチ



南九州の同胞ら150人が参加した
薩摩焼400年祭を祝賀する同胞の集い

 【鹿児島】壬辰倭乱で朝鮮から連行された朝鮮人陶工らが興した薩摩焼の四百周年を祝う在日同胞の集いが十一月二十九日、金鍾泌国務総理ら韓日閣僚懇談会に参席した閣僚らの美山訪問に合わせて行われた。鹿児島、宮崎、熊本の三県地方本部の団員ら百五十人が集い、薩摩焼きの地で在日韓国人の存在をアピールした。


■同胞の宴に笑顔満開
 鹿児島、宮崎、熊本から参加

 会場は薩摩焼宗家第十四代・沈壽官氏自宅のすぐ横。地元の鹿児島からは「こんなに同胞が集まるのは初めて」という百人近くが参加した。また宮崎(李二洙団長)からは三十人が、熊本からも二十余人が会場に駆けつけた。

 参加者らは、焼き肉を囲みながら青年会員とそのOBが演奏した迫力一杯のサムルノリに「チョーッタ」とヤンヤの喝采を送った。また、チャンゴをたたきながら韓国民謡を歌うオモニや昔を懐かしみながら「カップトリワ・カプスニ」を熱唱したハルモニなど、どの顔も同胞ならではの集まりに目を細めていた。

 会場近くを通りかかった金鍾泌国務総理も、在日同胞の集まりを見つけ、小渕首相を伴って予定外の訪問となった。金総理は、団員の誰彼なく声をかけ、特にオリニの頭をなでるなど団員らを励ました。一方、団員らも金総理には「マンセー」、小渕首相に「万歳」の声で突然の訪問に感謝の意を表した。

サムルノリを先頭に石塔除幕式会場まで行進する同胞

 民団鹿児島県本部の孫南植団長は金総理が足を運んでくれたことに感謝しながら「薩摩焼の地で両国閣僚懇談会が行われ、未来につながる韓日関係が築かれるでしょう」とあいさつ。民団中央本部から駆けつけた辛容祥団長も「日本が誇る薩摩焼を焼いたのは韓国人です。この人たちと同じように私たちも日本に貢献しています。社会に貢献して在日同胞として生きていくためにも本名を使って生きていこう」と述べ、そのためにも地方参政権を獲得しなければならないと強調した。

 鹿児島からチマ・チョゴリを着て参加したオモニは「こんな集まりは初めて。チョゴリを着るなんて何年もなかったのに…」と感無量で語っていた。

 参加者らは午後から、薩摩焼四百周年を記念して韓国から送られた石塔の除幕式にも参席した。除幕式会場までの約二キロ、にぎやかなサムルノリに先導されて行進する一行は、沿道に詰めかけた住民や観光客らの目を楽しませた。

(1998.12.02 民団新聞)



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