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東京・大阪の韓国食材店

休日返上!歳末で大忙し



買い物客でにぎわう大阪鶴橋の「国際市場」

 お正月を前にして、韓国食材店はこれから一年中で最も忙しい時期に入る。二十五日から三十一日までは、アルバイトを総動員しての“臨戦態勢”で買い物客の応対にあたる。年の瀬を前にした東京と大阪の韓国食材店の表情を見た。

 お正月に欠かせないのがトック。大阪・鶴橋駅前の「国際市場」にある専門店、金村商店では二十五日までに今年の製造を終えてしまう。乾燥するのに一日かかり、さらに機械で切って袋詰めにする作業が控えているためだ。買い物客が訪れるピークは二十九、三十日だという。

 金村商店は代替りしていて、いまは二世世代に経営が受け継がれている。こだわりの味は一世が築き上げた当時そのまま。防腐剤を一切使わず大量生産もできないため、卸売りはしていない。ソンピョン(松餅)も三千個ほどつくるが、あんこを詰める作業はいまでもハルモニの仕事となっている。

 トックと並び、惣菜では売れ筋ナンバー一のキムチは、日本人のお客にもしっかり浸透している。東京・上野の通称「韓国食材店街」で各種キムチ類を売り物にしている韓国食品センター「アリラン亭」でも買い物客の八割は日本人という。野菜が高騰していて「値上げしたいのはやまやま」だが、「頑張る」と一言。同じく、第一物産でも「日本人に韓国の食文化を伝えていきたいから」(姜恩順社長)と、減収覚悟で据え置きを続けている。

歳末は東京の韓国食品店も大忙しだ(上野で)

 韓国食品を扱う惣菜店はまもなく食事をとる間もないくらい、買い物客でにぎわう。「国際市場」でむし豚を売っている徳山商店は市場全体が休む十六日に店を休めたが、これから年末三十一日まで休みなし。

 客層も広がっており「近年、中国(台湾)、フィリピンなど他の外国の方が散歩がてら豚足を一個、二個と買ってく」とのこと。しかし、購入量にかぎってみれば、やはり在日同胞にはかなわないようだ。

 鮮魚ではタイとタラが正月の食卓には欠かせない食材だ。「国際市場」で鮮魚店を営む高山商店によれば白子入りで五千円、白子なしは二千五百円と半額になる。白子入りを買いにきていた在日同胞の主婦は「もう少し負けてくださいよ」と値段の交渉をしていた。  このほか、チョグは七百円も出すとかなり大きなものが買える。にしんは五百円とやはり、大阪ならではの安さ。歳末商戦はこれから本番を迎える。

(1998.12.23 民団新聞)



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