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在日同胞保護者会

全国5団体が初の交流



 【大阪】在日同胞の誰もが出自を隠さずに生きられる学校、地域を目指して活動している全国五つの代表的な同胞保護者会が二十四日、大阪市内で「民族教育を考える集い」(同実行委員会主催)をもった。参加者は大阪のほか東京、名古屋、神戸、奈良の各地に及んだ。地域で独自の取り組みを進めている同胞保護者会五団体が、一同に会したのはこれが初めてのこと。


■民族共生教育実現へ 解決方法探り情報交換

 この日の集いは、各地で試行錯誤しながら取り組みを進めている同胞保護者会間の人的交流と経験交流が目的。大阪の「同胞保護者連絡会」(李京愛会長)が昨年六月、全国の同胞保護者会に呼び掛けて実行委員会を構成した。

 参加したのは、近畿地区から「同胞保護者連絡会」をはじめとして「神戸在日韓国・朝鮮人児童生徒保護者の会」(金信金庸代表)、「奈良・在日外国人保護者の会」(金厚子・県代表)の三団体。このほか、名古屋から「日本の学校に通う子をもつアボジ・オモニの会」(金幸子代表世話人)、東京から「民族共生教育をめざす東京保護者の会」(金敬得代表)が加わり、同胞父母だけで八十三人に上った。

 まず、各地の同胞保護者会から会の概要や現在の取り組みについて報告があった。これを踏まえて八つのグループに別れ、それぞれが現在抱えている悩みや課題について解決方案を話しあった。

 オリニを中心にした同胞保護者の輪をどうしたら広げていけるのか、日本社会に対し「在日」を「プラスの存在」としてアピールしていくにはどうしたらいいのか。各グループとも時間の経つのを忘れて熱心な討論が続いた。

 「本名で学校に通わせるとからかわれる」問題を話し合ったという鄭順子さんは、同胞父母(会)が窓口になって学校と話し合っていく、場合によっては教育委員会にも掛け合わなければと述べた。

 同じく、金明石さん(民団大阪・福島支部支団長)も、「本名で通う子どもたちを地域でどう支えていくのか。もっと時間をかけて話し合っていかなければ」と語った。

 また、別のグループでは、民族講師の身分保障に向けて、同胞父母自ら身銭をきって支えていく覚悟が必要といった声も出ていた。

 東京保護者会代表の金敬得弁護士は「在日同胞が、本名を名乗ったために負担になった、ということがないようにしていかなければならない。保護者会をつくった目的もここにある。われわれ保護者会はこれからも互いに情報交換し、意見を収れんしていこう」と呼び掛けた。

(1999.01.27 民団新聞)



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