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2002W杯韓日共催
ソウル五輪以上の成功を

民団が「在日後援会」結成



朴世直組織委員長が在日同胞と懇談会

 韓日両国が共催するサッカーの二〇〇二年ワールドカップ(W杯)まで三年余りとなった。一月二十七日、来日中の韓国組織委員会の朴世直委員長ら一行は、民団中央会館で「準備現況報告会」を開き、韓国側のこの間の準備状況について説明するとともに、在日同胞の物心両面にわたる支援を求めた。

在日同胞を集め、2002W杯の準備状況を
報告する朴世直委員長

 この日、新たに組織委員会の元老諮問委員に委嘱された民団中央本部の辛容祥団長は、「在日韓国人後援会」を二月中に構成し、三月の中央委員会で承認を得ると発表した。また、同後援会の会長には在日韓国人信用組合協会の李煕健会長が推薦された。W杯の成功に向けた在日同胞の支援体制が、いよいよ本格化することになる。

 朴世直委員長は「ソウルは世界に、世界はソウルに」というスローガンを掲げた八八年ソウル五輪の組織委員長として、大会を大成功に導いた立役者の一人だ。韓国の存在を世界にアピールした卓越した手腕で、再び二〇〇二年W杯の組織委員長に抜擢された。

 「新しい千年、新しい出会い、新しい出発」を理念にした二〇〇二年の大会は、二十一世紀初、アジア初、共催初の「初物づくし」が特徴。朴委員長は「新しい世紀に韓日間の人的交流をはじめ、経済・文化・スポーツ、都市と村、南と北の出会いなど、数々の出会いがある」と期待を込め、国家の再跳躍と世界平和に貢献すると強調した。

 朴委員長は世界の延べ四百億人が視聴したという九八年のフランスW杯を例に挙げ、W杯が単なるスポーツ大会ではなく、IMF体制下に陥った韓国のイメージを好転させ、国難を克服する絶好の機会として、約八兆億ウォンの経済効果を予測した。また、韓国サッカー協会の鄭夢準会長が意欲を示す一部競技の北韓開催に触れ、「開催に名を連ねるならば、北韓も対韓破壊策動を中止さぜるをえないだろう」と、世界平和に寄与する可能性を示した。

 朴委員長はさらに、二〇〇二年は六百億人が視聴、約三十日の開催期間中の広告効果が、千八百億円規模になると試算し、韓国の食文化、サービス、風俗から街の風景まで、固有文化と観光事業を世界にアピールする考えを明らかにした。

諮問委員の委嘱状を受け取る辛容祥団長

 韓国組織委員会は、サッカー界をはじめ、政治、経済、言論の各界代表五十七人で構成し、諮問機構として元老諮問委員と七つの協議会を置く。すでに在日同胞から元老諮問委員に選ばれていた民団中央本部の李煕健常任顧問に加えて、辛団長と近畿大学の金貞淑教授に諮問委員の委嘱状が手渡された。辛団長は「共催を成功させるために、在日同胞が架け橋の役割を果たそう」と、会場の金セキ圭駐日大使、婦人会、体育会幹部二百余人に呼びかけた。

 一九六四年の東京五輪を皮切りに、民団は国際的なスポーツ大会ごとに「在日韓国人後援会」を構成し、韓国選手団を支援してきた。二〇〇二年の後援会長に推薦された李会長は、ソウル五輪の後援会長として陣頭指揮を取り、在日同胞から90億円(当時のレートで五百四十億ウォン)を集めて支援した実績をもつ。「民団を中心にして在日同胞がサポーターになり、総動員体制で応援しよう」と訴えた李会長に、「海外同胞参与」協議会の韓宇錫委員と申東元委員は、雰囲気づくりからボランティア参与まで幅広い支援を求めた。

(1999.02.03 民団新聞)



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