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薩摩焼14代宗家の沈壽官さん

韓国から「銀冠文化勲章」



韓国から「銀冠文化勲章」を
受け、喜びの沈壽官さん

■朝鮮陶磁器の優秀性広める

 韓国政府は五日、朝鮮の陶磁器技法を発展させた薩摩焼の窯元、第十四代薩摩焼宗家の沈壽官氏=鹿児島県東市来町美山=に「銀冠文化勲章」を授与した。授与式は青瓦台(韓国大統領官邸)で行われ、金大中大統領が沈氏に勲章を手渡した。

 金大統領は授与式で「この勲章は、四百年前に日本に渡った祖先たちの苦難に与える意味もある。韓国の国威を高めた功績は大きい」とたたえながら、沈氏の胸に自ら銀色の勲章をつけた。

 沈氏の一族は、豊臣秀吉の朝鮮侵略で一五九八年に薩摩藩主に連行され、薩摩焼を発展させた。

 第十四代沈氏は、日本の陶磁器愛好家と毎年訪韓、沈氏一族らの陶工渡来から四百年目に当たる昨年七月には韓国で陶磁器展を開催、また十月には薩摩焼ゆかりの地である美山などで「薩摩焼四百年祭」を開催するなど、韓国名誉総領事としても地道な韓日交流活動を続けてきた。

 とくに昨年十一月、同祭のしめくくりの日に開催された初の韓日閣僚懇談会でも、金鍾泌首相と小渕恵三首相が沈氏の工房を訪れ、韓日友好を演出した。

 韓国政府は昨年十二月二十九日の閣議で、朝鮮陶磁器文化の優秀性を世界に広め韓日文化交流にも寄与してきたと沈氏の業績を評価。韓国の文化功労者に与えられる最高レベルの同勲章授与を決めた。

 また、四百年祭の大仕事を終えた沈氏はこのほど、長男に第十五代沈壽官を襲名させたばかり。

(1999.02.10 民団新聞)



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