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韓国で漢字の併用拡大へ

金大中大統領が指示・まず公文・道路標識で



 「ハングル」という固有の文字が優先されている韓国で、政府が公文書や交通標識、さらに国語教育での漢字復権を打ち出し、世論が揺れている。

 金大中大統領は九日の閣議で「国際化時代となり、外国人観光客が増えている」として、これまでのハングルだけの看板に漢字と英語を表記するよう関係機関に指示した。

 これを受けて文化観光部の申楽均長官は九日、伝統文化の理解や漢字圏の国々との交流を深めるため、ハングルと漢字の併用を拡大すべきだとし、第一弾として、政府公文書や道路標識での併用推進を挙げ、次いで国語教育でも漢字復権を検討する方針を明らかにした。

 韓国では一九六○年代末、当時の朴正煕大統領がハングル使用促進政策をとり、国語教育で教える漢字も千八百字に限定。このため「漢字を知らない世代」が生まれ、その反省から九○年代に入り、漢字教育が見直されてきた。

 在日同胞の間ではハングルと漢字の併用については以前から要望の声が高く、昨年には在日同胞の有志が中心となって「全国漢字教育推進総連合会」を構成し、「漢字併用運動」がはじまった。

 今回の閣議方針は、このような流れに答えたものだが、十五世紀半ばに李氏朝鮮時代の名君、世宗が創案させた「ハングル」は、民族の優秀性を象徴するとの意識が根強い。

 これまでも漢字復権でたびたび世論を二分する論争が起きている。論争の背後には、日帝植民地時代に日本語を強制された歴史もある。

(1999.02.17 民団新聞)



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