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外国人モニター150人募集

兵庫県が国際化施策



■外国人共生会議も構成

 【兵庫】兵庫県は「国際性豊かな共生社会」の実現を目指して、外国人だけを対象にしたモニター制度を創設する。募集人員は百五十人程度になる見込み。外国人モニター制度はすでに鳥取県で実施しているが、これだけ大がかりに募集するのは全国で初めてとされる。モニターから寄せられた行政への要望、意見などは、県が今年度中に発足させる「外国人県民共生会議」で討論のたたき台としていく。

 外国人モニター制度の創設、「外国人県民共生会議」の設置とも、県が三月にとりまとめて公表した「地域国際化推進基本指針フォローアップ方策」の一環。


■県政に外国人市民の声反映へ

 同方策は九四年三月に策定した「地域国際化推進基本指針」を土台にしている。現行指針を「フォローアップ」するにあたって、外国人県民四千四百四十六人を対象に昨年七月から九月にアンケート調査を実施、国際化に関わる現状と課題、要望事項などの把握に努めた。さらに在日外国人の各自治団体に対しても意見聴取を行った。

 アンケートの有効回答数は五百七十四票。住居では外国人であることを理由に約三割の人が入居差別を受けたことが「ある」と答えた。具体的には契約時、あるいはそれ以前で入居拒否されたり、保証人として日本国籍を有する人が必要という体験をしていた。

 また、自治体への意見では「地方参政権がほしい」「公務員への採用など日本人と同様の資格がほしい」といったものが目立つ。

 外国人モニターは、特に組織に属してない市井の外国人からも幅広く行政への要望の声を集めようと、対象者を百五十人に広げた。六月から一般公募に入る。こうして集めた声は、県が民団をはじめとする各外国人自治団体の地元代表らで構成する「外国人県民共生会議」にかけ、一緒になって解決方案を探る二段階方式をとった。

 このほかの「フォローアップ方針」では、人権教育・啓発施策を総合的に推進するための「人権教育・啓発推進会議(仮称)」を県に設置する問題、「公的年金」では無年金外国籍高齢者・障害者にかかる福祉給付金支給助成制度の未実施市町への指導などがあげられている。

 県内の外国人登録者数は百十六カ国九万九千八百三十九人(九八年十二月末現在)で全国で五番目。国籍別では韓国・朝鮮が最多。

(1999.05.19 民団新聞)



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