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神戸のコミュニティ・FM

韓国理解と多文化共生を電波で発信



「コリア・トゥディ」に参加しているメンバー

 【兵庫】在日韓国人や韓国に対する理解を深めようと神戸市内の二つのコミュニティーFMで放送されている番組が人気を呼んでいる。一つは青年会兵庫県本部がFMムーヴの一時間を使って放送する「コリア・トゥデイ」。青年会の様々な活動を紹介しながら二・三世の立場から二〇〇二年W杯に向けて韓日相互理解を語る。もう一つは、九五年の阪神大震災を契機に放送開始された「FMわいわい」。被災した在神外国人のために多言語で情報を伝え、多くの外国人市民に勇気を与えた。今年で五年目を迎えている。


◆◇コリア・トゥディ◆◇

■韓国青年会兵庫が企画

 在日韓国人や韓国の様々な情報を広く市民に知ってほしいとFMの電波に乗せて呼びかけている「コリア・トゥデイ」。中央区三宮のFMムーヴの五十五分を使っての放送だ。四月十日に番組はスタート、毎週土曜日の午後九時からオンエアしている。

 特に二〇〇二年W杯の開催地である神戸だが、「市民はあんまり韓国や在日のこと、知らんでしょ」という思いから始まった。今一番タイムリーなワールドカップ情報から始まって、市民に広く在日問題を知ってもらおうという考えだ。


■「在日」と市民の架け橋に

 四月の末には「青年会って、なーに」と在日韓国青年会の活動を紹介した。兵庫の各支部で活動する青年らをスタジオに呼んで、本音で青年会活動を語った。聞いている在日同胞青年にも参加を呼びかけた。

 メーンのDJは青年会兵庫県本部の金勝幸会長。日本の女性アシスタントとコンビを組み、女性側の素朴な韓国に関係する質問に金会長が答える形だ。「アボジってどういう意味?」など、いわば"韓国入門"とも言える内容になっている。そのほか結婚問題や韓国伝統ノリ(遊び)なども紹介していく。

 このほかヴィッセル神戸で活躍する金度勲選手の情報や韓国の最新ヒット曲も流す。「在日と日本市民の架け橋にしたい」と金会長。一年間は続けていきたいと毎週の企画構成に頭をひねる。

 エリアは東灘区から長田区まで。七六・一メガヘルツで放送される。


「FMわいわい」のオンエア場面

◆◇FMわいわい◆◇

■大震災時機にオンエア

 阪神大震災当時、錯綜する情報の中で、日本語があまり理解できない在日同胞やニューカマーに正確な情報を送りたいと震災二週間後に民団西神戸支部から韓国語と日本語による電波を流したのが「FMヨボセヨ」。また同じ趣旨から長田区に暮らすベトナムやフィリピン人などに向けた放送「FMユーメン」が七月に合体してできたのが「FMわいわい」だ。

 多文化共生をかかげた放送は、現在韓・朝鮮語はじめベトナム、タガロク、中国など八カ国の言語で放送する。震災から五年目を迎えた現在も、地域に情報を送り続けている。


■韓国など8カ国語で放送

 スタッフはすべてボランティア。百五十人以上が登録し、様々な形態で放送に協力している。放送エリアは長田区を中心に兵庫、須磨、中央の各区をカバーする。周波数は七七・八メガヘルツ。

 ハングル講座あり在日韓国人一世のトーク番組ありと韓国関係も多いが、地域に暮らす外国人の様々な情報が盛り込まれている。

 ゼネラルマネージャーの李圭燮さんやプロデューサーの全美玉さんらわいわいにかかわる全員が一致協力しての手作り放送だ。その結果、昨年五月には優れた内容の放送に送られる放送批評懇談会のギャラクシー賞も受賞した。

 財政的には苦しいが、今は放送を支えてくれる「エフエムわいわい友の会」の会員をつのっている。問い合せは電話078(737)3196、FAX078(736)2211へ。

(1999.05.19 民団新聞)



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