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ガンバレ!京都韓学の球児



 この夏、高校野球の甲子園大会をめざす民族学校が登場した。

 京都韓国学園の硬式野球部が日本高校野球連盟の定例審議委員会で「外国人学校野球部に関する特別措置」に基づき、加盟が承認された。外国人学校としては軟式で神奈川朝鮮高校など七校が加盟しているが、硬式は全国で初めて。

 高野連の牧野直隆会長も「初めて硬式に参加する学校が出てきたのは大変喜ばしい。克服すべきことは多いと思うが、健闘を祈りたい」とエールを送った。

 思い出すのは1981年、第63回大会。報徳学園対京都商業の決勝で沸き起こした在日コリアン旋風だ。

 両校あわせて7人の同胞球児が活躍し全国の同胞を釘付けにした。スコアボードには鄭、韓との韓国姓を含め呉本、高原、金村、西原、岡部、金原など"おなじみ"の通名がズラリと並び、「鄭」「韓」とのアナウンスが全国に流れ、同胞たちを爽快な気分にさせてくれた。

 熱戦の末、結果は報徳のエース金村(現在西武ライオンズ)が好投し2―0で深紅の優勝旗を手にしたが、当時のマスコミの中には「コリアンパワーの甲子園」と称えた。

 京都韓国学園の硬式野球部は今年4月に創部されたばかりで現在部員はわずか11人。公式大会デビューは、7月15日開幕の第81回全国高校野球選手権京都大会。

 監督は大阪商業大堺高校で捕手をし、大学や社会人でも野球をした金健博さん(23)。「全国の高校球児の仲間入りができてうれしい。野球を通じて在日韓国人としての生き方を育んでいきたい」と初子が生まれたような喜びよう。

 今度は甲子園で「韓国学校パワー」を見たいものだ。(J)

(1999.05.26 民団新聞)



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